船橋の北端で無農薬・有機農業に取り組む山田農場さん。
その一年の営みを「農場と地域の人たちと関わり」にスポットを当てて毎月取材・記事にする当企画。

今月で最終回です。

...寂しいです。
寂しさと愛はコインの表と裏。
愛がなければ、寂しさはない。

というわけでラスト。
張り切っていきます。

今回の取材テーマは「畑でカレーを作ろう」。
主役は12歳の子供たち。

船橋市内のある小学校を今月卒業した小6の子たちが農場に集まり、みんなでカレーを作る。
卒業クラス会を畑で行うという趣旨。

小学校最後の思い出を畑で...
素敵だと思います。

僕も保護者さんにお願いをし、混ぜて頂いた。
(よく考えると変なのだけど、いっか)

それでは、山田農場の一年・三月。
はじまりはじまり。

山田農場の一年・3月‐1(タイトル)
(余談ですが、写真の解像度が上がりました)

* * *

山田農場の一年・3月‐29

集まってみれば結構な人数。
そりゃそうだ。学校の一クラス分。
保護者さん含め30名以上。

山田農場の一年・3月‐2

農場主、山田さんの説明を聴く子供たち。
みんな真面目だ。

山田農場の一年・3月‐4

その後、4チームに分かれてカレー作り開始。
キッチンは大きなハウス(注)

※注:大きなハウス:クラウドファンディングによる地域の方々からの応援でできた大型ビニールハウス。夏は涼しく、冬は温かい未来型のビニールハウスである。すこぶる快適。

山田農場の一年・3月‐28

このハウスが今日は家庭科室兼ランチルームに。

山田農場の一年・3月‐6

若干カオス気味なスタートだけど...
それぞれの班の様子を見守りたい。


カレー班(安定)



山田農場の一年・3月‐7

女子中心のカレー班。
野菜を切る姿が非常にサマになっている。
平成生まれの大和撫子が、ここに。

山田農場の一年・3月‐8

豚肉を鍋に入れるだけでも楽しいお年頃。
仲良しって、いいね。

山田農場の一年・3月‐10

問題なさそう。安定。


サラダ班(堅実)


山田農場の一年・3月‐5

サラダ班もメインは女子。
畑で野菜を収穫するところから。
採りたて野菜のサラダなんて、実は贅沢だ。

山田農場の一年・3月‐11

非常に堅実な進行具合。
間違いなさそう。

山田農場の一年・3月‐14

男衆も手伝ってくれた。

山田農場の一年・3月‐15

大根の千切り。
やや太めだがワイルドだ。
男はやはり、そのくらいでないと。


ナン班(大穴)


山田農場の一年・3月‐3

実は少し心配していた男子たちのナン作り。
最終的に見事な着地を見せてくれた。

山田農場の一年・3月‐17

ナンの成形は楽しそう。
あの独特の楕円形を完璧に形作る彼ら。

山田農場の一年・3月‐19

焼くのは担任の先生(お若いです)。
子供たちに見守られながら、パーフェクトな仕上がり。
お疲れ様でした。


米班(大器晩成)


山田農場の一年・3月‐9

お米はカレーの命。
カレーの運命はお米に掛かっている。
そんな大役を自ら買って出てた勇者たち。

薪を使った直火の窯焚き。
下手をすれば米は墨と化す。
そんな難題にも真っ直ぐに向かっていく。
煙に涙しながら。

山田農場の一年・3月‐18

途中で火が消えるアクシデント。
人生とは壁の連続である。
こんな時こそ大人が支えてあげないといけない。

山田農場の一年・3月‐20

山田さんのサポート、竈の番人こと火のプロ:西元さんのご指導のもと、見事に炊き上がった。
これで食材は全て揃った。


いただきます!


山田農場の一年・3月‐22

あとは食べるだけ。
自分たちで作ったカレー、早く食べたいよね。

山田農場の一年・3月‐23

わお、美味しそう。
野菜は全て山田農場さんで採れたもの。

山田農場の一年・3月‐24

いただきます!
あっ、フライング発見。
(お腹、空いてたもんね)

山田農場の一年・3月‐25

カレーはおかわり合戦。
今も昔も変わらないんだなぁ。

山田農場の一年・3月‐26

みんな美味しそうに食べてる。

山田農場の一年・3月‐27

僕も頂きました。
お母さんが大盛にしてくれた。
みんなで食べるといっそう旨い。
6年4組のみんな、ごちそうさまでした。


一年間の取材を終えて



“山田農場さんには何故こんなに沢山の地域の人が集まるのだろう?”

そんな疑問がこの企画の出発点だった。
明確な答えは、12回に渡る取材でも出ていない。

しかし、何となく感じることはできた。
「食」という我々にとって最も身近なテーマを通じ、楽しみ、考え、学び、地域の人と交流することができる場所。
それが山田農場なのだと思う。

敷居が低い。ゆるい(いい意味で)。
気張らない。行きやすい。
畑がちょっと近くなった気がする。

僕は農薬を使った(であろう)かつ有機ではない(と思われる)野菜も買う。
それでも無農薬・有機農業の在り方を知ることは、食を考える上で一つ選択肢を増やしてくれると思う。

食を考える。
農業を考える。
地域を考える。

答えは出ない。
でも、出なくても良いような気もする。
考えることそのものに意味があるのだ。
(自己弁護的なアレですが)


【山田農場の一年|全12回の記事】

・4月 東京からの訪問者
・5月 大きなハウス完成パーティ
・6月 合鴨のヒナの放鳥会
・7月 夏野菜収穫ツアー
・8月 有機農業講座
・9月 稲刈りのお手伝い
・10月 枝豆の会
・11月 たくあん作り
・12月 合鴨の解体と鴨鍋
・1月 踏み込み温床づくり
・2月 窯焼きピッツァの会
・3月 この記事です
 
こうして見ると感慨深い。
続けて良かったと思う。
心から、そう思う。

企画にあたり、山田さん、農場のスタッフさん、地域の皆様には大変お世話になりました。
本当に、ありがとうございました。

この記事を通じて「山田農場」という場所が船橋にあるのだと知って頂ければ、また少しでも気にかけて頂けたならば、これ以上の喜びはありません。


(おわり)