船橋北端、山田農場さん。
市で初めて新規就農し、有機農業に取り組んでいる、若き農家さん。
無農薬、無化学肥料で作物がつくられている。

生産から消費までを地域内で完結させる-
「地域の自給自足」を掲げ、実践されている。
 
一年間、農場を追っていきます。
今回がその第一回。

さて、気になる一番の理由。
それは農場に沢山の地域の人が関わっていること。

多くの人が、応援し、手伝い、事あるごとに足を運ぶ。
何故なのだろう?不思議だった。

そんな農場には何かがある。
地域でより良く暮らす一つヒントがある。
そう考えた。

季節とともに移ろう山田農場を追いたいと思った。
畑と人との間にある何かを見つけたい。
キーワードは農場を通じて生まれる「人のつながり」。

当企画は3月まで月1回、全12回を予定している。
最終的には何らかの形で製本化(形として残す)したいと思っている。
色々な人と関わりながら、一緒にカタチにしたい企画。

* * *

山田農場の4月(タイトル)

四月も末。
農場はすっかり緑に囲まれている。
(2015年4月26日)

まずは大きなハウスを見てみたい。
最近出来た大きなビニールハウス。

山田農場の4月‐5

ビニールハウスなんて珍しくない。
そう思われるかもしれない。

これは(山田農場を応援する)人たちの出資によって完成したハウス。
クラウドファンディングによって集められた資金で作られている。
(目標額まで本当に後少しなので是非ページをご覧ください。期日は明日28日です。)

もちろん手作り。
農場主の山田さんが、時間を作りながら1ヶ月かけて完成させた。

外の壁には、地域の子どもたちが5月に思い切り絵を描く予定。
その様子を見られるのが今からとても楽しみ。
(翌月の記事でレポートします)

山田農場の4月‐6

入り口。

山田農場の4月‐7

中はこんな感じ。
予想より大きくて、走ったりゴロゴロしたりできる。

このハウス。
単純に作物を育てるためだけのものではない。

地域の人が...
夏は涼しく、冬は暖かく集まれるように-
そう願って作られたもの。

作業のため以上に人が集まるために。
言わば農場に作られた「畑の家」なのだと思う。

農業講習、料理教室、パーティなどをここで企画しているとか。
いつもと違う農場の楽しさを感じられる場所になりそう。

* * *

さて、四月の畑を見てみる。

山田農場の4月‐8

農場主の山田さん(右)とスタッフの西本さんが何やら。
これは虫よけネットを張っているところ。
僕は遠くから邪魔しながら様子を眺める。

山田農場の4月‐3
 
菜の花がいっぱい。

山田農場の4月‐9

蜂が全身を真っ黄色にして花粉を集めている。
黄色はカブなど、白は葉大根の花。

菜の花に集まった蜂が、近くに植えられたズッキーニにも花粉をつけてくれる。
自然の力を利用して農作物が作られる。
(通常、ズッキーニの受粉にはホルモン剤等が用いられるそう)

山田農場の4月‐10
 
わざと雑草もそのままに。
害虫を食べてくれる虫や蛙たちのすみかになる。 

山田農場の4月‐12
 
マメ科の花、その1。

山田農場の4月‐13
 
その2。

山田農場の4月‐11
 
ブロッコリーが隆々と葉を伸ばし。

山田農場の4月‐14
 
稲の苗は植えられるのを待っていた。

* * * 

この日は東京から見学者がいらしていた。
どんな方だろうと、僕も待たせて頂く。

山田農場の4月‐1

Hさん(右)とSさん(左)。
Sさんはベルギーの方だそう。

山田農場の4月‐2

山田さんの話を真剣に聴かれるお二人。
Hさんは聴いたお話を日本語に訳してSさんに伝える。
(Hさんはモデルみたいで、Sさんはヨーロッパのミュージシャンみたいだ)

Sさん。
greate ! [すごい!]
wonderful ! [素晴らしい!]
fantastic ! [素敵ですね!] 
山田さんのお話を聴きながら連発。
山田さんはいつも冷静に、じっくり考えてコメントをされていた。

見学にいらしたHさんとSさん。
これから有機農業に取り組みたいとのこと。

お仕事もあるのに、何故いま有機農業を?
不思議に思って尋ねてみた。
Hさんから、こう答えが返って来た。

「生き方です。“生き方”として、有機農業をやりたいんです。色々やって、行き着いた先が農業なんです。東京で仕事をしていても、人同士の“つながり” なんて何も無くて。本当にそれで良いのかな、と。人間だって自然の一部でしょう?農業を通して、自分も自然の循環の一部になれたらなと。そのためには(人為的な)化学肥料なんてもっての他です。有機農業に取り組むのことは“いのち”に向き合うことそのものなんじゃないかって、思うんです。」

じっくり言葉を選ぶように話してくださった。

ひたすら好奇心で農場へ足を運ぶ自分と、 
明確な目的(意思)を持って農場へいらしたお二人。
いろいろなスタンスがあって良いのかなと思う。

東京からの素敵な訪問者(ビジター)。
目を輝かせ、嬉しそうで、いきいきしていた。

* * *
 
こんな感じで山田農場さんの様子を一年間に渡って伝えていきます。
船橋の農、食、コミュニティにご興味のある方にまたお読み頂ければ嬉しいです。

「山田農場の一年」。
それでは、また。

(五月につづく)