久しぶりに写真用のレンズを買いました。
長く検討していた35mmの単焦点レンズです。
※以下すべてフルサイズ換算での焦点距離

購入したのはこちら。

Nikon D750×シグマ 35mm F1.4 DG HSM Art

SIGMA(シグマ) 35mm F1.4 DG HSM Art
実は初シグマなんです。

かっこいいですね〜。
まず見た目が好きです。
ずっしりと高級感があります。

発売は2012年。
カメラ雑誌で見かけて「おしゃれ!」と思ったのを覚えています。
シンプルでスタイリッシュな感じが良いです。


レンズはカメラ本体に比べて長く使います。
スマホと異なり、半年で型落ちとはなりません。

良いレンズは長きに渡り愛されます。
自分も同業の方も、最新レンズばかりで仕事はしていません。使うほどに愛着が湧き、レンズの癖(個性)を生かせるようになります。古くても良いものは良いのです。

* * *

さて、この記事では35mmの単焦点レンズを買った理由・使いみちを書きます。それと撮影サンプルも少し載せます。

当記事が、カメラが好きな方・レンズを検討している方の参考になれば嬉しいです。



35mm単焦点レンズの購入目的


以下のような写真を撮りたくて、このレンズを買いました。

【35mm単焦点で撮りたかった写真】
①背景を生かしたポートレート(人物)
②狭い室内での全身写真
③よりクオリティの高い集合写真
④キレの良い風景写真


↑全てズームレンズでも撮れます。
ただ、単焦点ならより綺麗です。

仕事でもスタメンであるズームレンズ。
便利ですが、物足りなさを感じることもあります。

そういうときは単焦点の出番です。
85mm、50mmはよく使います。
しかし、35mmは持っていなかったのです。

「明るい」だけが単焦点の魅力ではありません。
表現の幅が広がり、写真の質も上がります。

上掲の35mmで撮りたかった写真のうち、①③について少し詳しくお話します。



35mm単焦点だからこそ映える写真①
背景を生かしたポートレート


「夕日を背景に海でウェディングフォトを撮ってほしい」

こんなキラキラなご依頼をいただいたことが、レンズの購入を後押ししてくれました。35mm単焦点が最も適した機材だろう、と。

ポートレート(人物写真)では、85mm以上の中望遠〜望遠レンズがよく使われます。僕もそうです。85mmのバストアップは定番中の定番と言えます。

焦点距離において中望遠以上が好まれる理由は、顔や身体の歪みの少ないこと・背景をボカシやすいことだと思います。撮れる範囲が狭いため、ゴチャゴチャしないのもポイントです。

85mm単焦点_撮影サンプル
(F2.2/ISO200/トリミング済)

上の写真は85mmのサンプルです。
簡単に「それっぽい」写真が撮れます。
ただ、中望遠にばかり頼ると、ワンパターンな感じになります。

だからこそ広角気味の35mmが欲しいのです。
人物を主役にしながら、背景を大胆に取り入れる。
それは中望遠以上ではなかなか難しいです。

「何を背景に取り入れるか」を考える必要性が広角域では生じます。構図もより複雑になります。背景パーツごとの重み付けも必要です。

35mm以下の画角では、撮る時に情報の取捨選択・バランス調整が必要です。と、買ったばかりの自分が言うのも変ですが、ズームレンズでも同じこと。

ハマればめちゃくちゃドラマチックな写真が撮れるはずです。まずは10日後に迫った「夕日を背景にした結婚記念写真」で35mm単焦点の世界に挑戦します。



35mm単焦点だからこそ映える写真②
子ども中心・下がれない時の集合写真


【35mmなら余裕をもって全員が入る】

大人数の集合写真を撮影する場合、40〜50mmがベストだとされています。僕もキホン50mm単焦点で撮ってきました。比較的歪みは少なく、背景の遠近にも違和感が出ません。

しかし、です。
「集合写真=50mm」はある意味正解だけれど、常に最良の選択とは限りません。

実際に現場で集合写真を撮っていると、50mmでは引きが全然足りない(下がれず写真に全員がおさまらない)場面が多々あります。ときに24mm、20mmで撮ることも。

撮影現場ではスピードが命。「あ、50mmではダメだ」などと言ってモタモタとレンズ交換していては呆れられます。はじめからズームレンズにしておけよ、となります。

これが35mmになるとだいぶ余裕が出ます。
50mmで無理をしていた場面が無理なく撮れます。


【35mmなら被写体とコミュニケーションしやすい】

さらに重要なのは被写体との距離です。
50mmで集合写真となると、被写体からかなり離れます。
この点もずっと気になっていました。

離れすぎると声が届きません。
気になった部分を伝えるのに、わざわざ被写体の近くにいかなければなりません。

大人以上に子どもを撮るとき、この距離はさらに重要です。
35mmなら、カメラから離れずその場で子どもたちと会話ができます。
大声で叫ばなくても話せるのです。

いつか書きたい「写真撮影はコミュニケーションが7割」。
本当にそうなんです。
被写体との距離が近くなるのも35mmの魅力です。


【左右の余白で歪み対策を】

「広角は歪む」は事実です。そういうものです。
ただ、世間で言われるほど撮っていて気になりません。

(1)左右の余白を多めに残す
(2)歪み補正を行う(奥の手)

上記2つの対策を取っています。
こうすれば、35mmでも顔の歪みは最小限に抑えられます。

集合写真を撮るときは、左右それぞれ2〜3人分以上の余白を確保します。後からトリミングするときのためと、歪みを少なくするためです。

上下左右の端にいくほど歪みは大きくなります。だから端っこに人やものを入れるときは注意です。意図しない場合、端に人を入れるのは避けたほうが良いです。


以上の理由で、今まで50mm単焦点で撮っていた場面も、今後35mm単焦点で積極的に撮っていく予定です。背景もより多く取り入れられるし、楽しみです。



撮影サンプル|SIGMA 35mm F1.4


カメラのことだと、つい話が長くなります。
ここからは新しいレンズの撮影サンプルです。
早く撮りたかったので、近所の景色です。

作例2|シグマ 35mm F1.4 DG HSM Art
(F1.4/太陽光)

まずは開放F1.4のテスト。
さすがにピントは薄いですね。
F1.4のレンズは初めてです。

作例1|シグマ 35mm F1.4 DG HSM Art
(F1.8/太陽光)

F1.8でもよくボケます。
実際ここまでF値を下げることは滅多にありません。

作例5|シグマ 35mm F1.4 DG HSM Art
(F2.8/屋内でストロボを後ろにバウンス)

F2.8にして猫。
毛並みもよく解像されています。

作例3|シグマ 35mm F1.4 DG HSM Art
(F5.6/太陽光)

かなり使う頻度の高いF5.6。
いつも前を通る公園です。

作例4|シグマ 35mm F1.4 DG HSM Art
(F8.0/太陽光)

風景写真でも想定されるF8.0。
仕事で集合を撮るときはF9.0〜11が多いです。

* * *

全体的に良いですね。
これで中古42,000円は超高コスパです。
AFは純正より遅いものの許容範囲内。

色合いはニコンのレンズより若干クール(寒色系)。
緑や黄色かぶりが無くて僕は好きです。

明日からの出張でさっそく活躍させてきます。
めちゃくちゃ楽しみ!

(おわり)