長野県松本市へ1泊2日の旅行へ行ってきた。
12月上旬、Go To が適用されていた頃のこと。
松本を行き先に選んだのは、愛読している『ことりっぷマガジン』で特集が組まれていたからだ。この雑誌は写真が非常に綺麗で、勉強も兼ねて定期購読している。
「木工の街」松本。木製品作りが盛んで、一風変わった店も多そうだ。それに「長野=星空」という勝手なイメージが加わり、目的地に決定。
完全プライベートでの旅行は実に13年ぶり。誕生月である12月に行きたいと、毎月1万円ずつ積み立て、無理のないようにした。
長野へは特急あずさで。船橋駅に停まり、乗り換え無しで松本まで行けるのが楽だった。観光ルートを考えながらおしゃべりして過ごすのがまた楽しい。あっという間に終点松本駅に着く。
1.水がきれいな蕎麦の街
松本についてまず驚いたのは、あちこちに湧き水・井戸があったこと。大きなポリタンクで水を汲む住人の姿もあった。飲んでみたら、濡れた。
アルプスの山々に囲まれた街は、水もきれいで温泉も豊富。一方で駅周辺は栄え、PARCOの回りは若者でにぎわっていた。住みやすそうだ。
実際に移住してくる若者も少なくないそうで、その気持ちも分かる。でも僕は、やっぱり船橋が良いなと思う。
水が綺麗だと食材や料理もうまい。長野といえばやっぱり蕎麦が思い浮かぶ。蕎麦が大好きな僕は、2日間とも昼飯に蕎麦を選んだ。
特に1日目に伺った「やまとう」さんはお薦め。モダンな外観・内観が洒落た時間を提供してくれるし、蕎麦も天ぷらも上品な仕上がりだった。
長野の食事は全体に「優しい味」の印象。素材やダシを生かした、柔らかい味わいのものが多かった。海がないからこその工夫もあるのだろう。
2.国宝も見ておこう
人工的な建造物よりも、自然の生み出す風景が僕は好きだ。けれど、「やはり松本城は見たいよね」ということになり、真っ先に向かった。
全然人がいなかった。
城内の階段が以上に急なのが思い出深い。
背中のカメラ機材と着替え(約15kg)が重い。
当時の忍者に思いを馳せながら天守閣へ。
高所恐怖症だから、正直怖かった。
次は開智学校。
向かう途中でお腹が痛くなり、向かいの公園のトイレへ駆け込んだのが一番の思い出。
明治期の学校用品が保存された施設内。
昔の小学生の姿を想像しながら楽しんだ。
少し歩いて、観光名所の縄手通りへ。
お土産屋さんが軒を連ねる。
だが水曜は定休日の店が多く、人はまばら。
3.個性的なお店がたくさん!
気を取り直し、翌木曜にチェック済の店を回る。
個性的というか、コンセプチュアル(主張の強い感じ)な店が多く、見ていて飽きなかった。歩きながら見かけた店にふらっと寄ってみると、それがまた面白い。とても楽しい街歩きだった。
古い電器屋を改装した栞日(しおりび)さん。
1Fがカフェ、2Fが本屋になっている。
本のチョイスが独特で興味深く、いくらでも居られる感じ。古本を一冊買い、町のフリーペーパーをもらった。既に本を4冊持っており、また荷物が重くなった。
千葉でいうと佐倉と少し共通点のある、古い家屋が保存された町並み。
上の珈琲まるもさんもその一つ。
中は撮らなかったが、クラシックで趣あり。
若いお客さんの姿も多かった。
古風なお家の内装を生かした陶片木(とうへんぼく)さんも二人のお気に入り。歩くと床がギシギシ鳴り、売り物の陶器がその度に揺れる。
ここもまた、ずっといたくなるお店だった。
相方が素敵な豆皿を買っていた。
4.アルプスの夕焼けと星空
そんなわけで、たくさん歩いた。
だいたい1日25,000歩ほど(普通)。
地図を見ず、太陽の位置で方角を判断する僕は、道を微妙に間違える。断っておくけれど、大きく間違うことはない。少し間違うだけなのだ。人は時にそれを、方向音痴と言うのかな。
ギリギリ送迎バスに間に合い、ホテルへ。
今まで泊まった中で、一番立派な宿だった。
フロント階のテラスに足湯があり、そこから北アルプスの山々が一望できる。チェックインする頃にはちょうど夕日が沈み、ぽつりぽつりと町に明かりが灯る頃。
松本市街から小高く上がった美ヶ原温泉。
宿泊客が少なく、大浴場は貸し切り状態に。
いい湯だった。
ごはんを食べて外を眺める。
目当ての星は見えなさそうだ。
習慣とは怖いもので、22時には眠くなった。
星空は諦めてテレビを消して寝た。
…
0時44分。
胸騒ぎがして目が覚める。
窓から外を見ると、星がいっぱい!
慌てて相方を起こす。
防寒着を整え、持参したカンテラを取り出す。
真っ暗な山道を歩いて、開けた場所を探す。
もっと標高の高い近くの美ヶ原高原には及ばないものの、たくさんの星を見ることができた。
プリントしたら、あまり星は写っていなかった。
実物はもっともっときれい。
二人で息を飲んだ。
偶然ふたご座流星群が見られる日だった。
(上写真の左上に流星が✨)
流れ星を4つも見つけることができた。
これだけでも良かったと思う。
5.朝の散歩と帰り道
朝も早く起きて、ホテルの回りを散歩した。
楽しくてほとんど寝られなかった。
朝の町を歩くのが大好きだ。
多くの人が寝ている中で、少しずつ町が起きていく。太陽は上り、一日が始まる。朝早くに出勤する人がいて、マフラー姿の学生がいる。町が穏やかにそわそわする、この時間が一番好きかな。
今、朝焼けの写真を毎日家の近くで撮っている。
それも近々、まとめて記事にしたい。
ありがとう、アルプス!
自分が撮っているところ。
* * *
今まで旅行はあまり好きではなかった。
38歳を目前に迎えて、旅もいいなあと思った。
歳を取ると、変わるんだなあ。
基本的には近所で小さな発見をするのが好きだ。
だが知らない場所を歩くと、それはそれで発見がある。これもまた楽しいものだと思う。
誕生月の特別な記念。
13年ぶりの旅行らしい旅行。
写真を年末にアルバムにするのが、また楽しみ。
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