「怖いくらいに包丁が切れるようになるよ」

地元の友人に教えてもらった研ぎ屋さん。
それは金物店でも鍵屋でもなく、靴屋でした。

今回訪ねたのは日の丸屋靴店さん。
以前にご紹介したたかね煎餅さんがある
高根木戸中央通り商店街にあるお店です。
高根木戸のイオンから徒歩5分ほど。

自分の数少ない宝物の一つの包丁(牛刀)。
月イチで研いではいるものの、
どうしても最近切れ味が良くない。
研いでもらおう!と行ってきました。


この道ひとすじ70年。創業54年の老舗


高根木戸_日の丸屋靴店の包丁研ぎ_3

日の丸屋靴店さん。
昔ながらの靴屋の趣き。
オープンは54年前で、
当時周囲はまだ松林ばかりだったとか。

高根木戸_日の丸屋靴店の包丁研ぎ_4

研ぎの看板を発見。
力王たび、僕も愛用しています。

高根木戸_日の丸屋靴店の包丁研ぎ_2

地域のニーズに合わせて、
お年寄りにも優しい靴が豊富にそろう。
学校指定の上履きなども。

高根木戸_日の丸屋靴店の包丁研ぎ_10

ショーケースに入っているのはダンスシューズ?
金や銀、ラメに真っ赤なものなどゴージャスな品揃え。

高根木戸_日の丸屋靴店の包丁研ぎ_12

おしゃれは足元から。

高根木戸_日の丸屋靴店の包丁研ぎ_1

店主の岡田三郎さん。
15歳で靴の修行を始め、
この道ひとすじ70年なのだとか。

今でも日々ランニングに励むというのだから、
レジェンドと言うか鉄人だと思った。

ものすご〜く良い方で、いつも笑顔。
何を聞いても丁寧に答えてくださる。
こういう風に歳を重ねられたらすてきだなあ。

それで「どうして靴屋さんが研ぎなのか?」
というのが気になるところ。

「自慢になっちゃいますけど、私は手先が器用でしてね。靴の修理でも専用の包丁を使うわけです。自分で研ぎますよね。それならお客さんの包丁も研いだら喜ばれるんじゃないかと思って、ずいぶん長いことやっています」

ふむふむ。
器用すぎて包丁も研いじゃう靴屋さん。
根っからの職人です。

高根木戸_日の丸屋靴店の包丁研ぎ_11

お孫さんが書かれたという短冊。
なんだかじーんと来るなあ。



濡れても平気なジョギングシューズ!?


これは余談。
途中で、お客様が訪ねて来た。
自分の母親より少し上の世代の男性だ。

「雨に濡れても大丈夫なジョギングシューズあるかな?」

(いや...そんな靴があったら僕も欲しいくらい...)

「ありますよ。これはね、ここがマジックテープになっていて―」

(えっ!あるんだ!?)

これにはナイキもアシックスも
ただ驚くばかり。

顧客のニーズを瞬時に察知し、
即座に最適な商品を提案する。
70年ものキャリアの為せる業だ。


鉄人の包丁研ぎ


研ぎの料金は1本600円。
イオンが約800円。
日本橋の木屋(刃物の老舗)は約1,200円。
全部手作業なのに...かなりのサービス価格。

少しでも技を盗もうと、コツを聞く。
「片面を平らにすること」らしいが、
これは自分では出来そうにないと思った。

高根木戸_日の丸屋靴店の包丁研ぎ_8

主に荒目の砥石を使う。
所要時間は約30分。
基本的には預けて、後で取りに来るスタイル。

高根木戸_日の丸屋靴店の包丁研ぎ_9

手さばきが早すぎて、撮るのは諦めた。

研ぎながらあれこれ質問するが、
優しく答えてくださる岡田さん。
どうもありがとうございました。



切れ味のほどは?


さっそく試し切りしてみたい。
こういう時に限って、トマトしかない。

高根木戸_日の丸屋靴店の包丁研ぎ_6

ぴかぴかしているのが表面。

高根木戸_日の丸屋靴店の包丁研ぎ_5

研いだことで光沢が鈍くなったのが裏面。
(洋包丁は両刃なので表裏の区別はない)
確かに平らになってる!

刃の模様は薄くなったが、切れてナンボの世界。
刃物はアクセサリーじゃないのだから。

高根木戸_日の丸屋靴店の包丁研ぎ_7

「トンッ!」と気持ちの良い音。
新品に戻ったみたいだ。

“包丁がよく切れると料理が楽しくなる”
岡田さんの言葉だが、全くその通りだと思う。

「最近イマイチ切れないなー」という近所の皆さん、
岡田さんにお願いしてみてはいかがでしょうか?
ただ、本当に切れるので気を付けてください。

一度研げば、約半年は切れ味が持つそう。
日常のメンテナンスに加えて、
これからは定期的にお願いしよう。
どうか、いつまでもお元気でいてくださいね。


日の丸屋靴店


*住所 船橋市高根台6-45-7
*電話 047−465−6841
*時間 10:00〜19:00
*休み 土曜日
*ほか 駐車場なし