本屋が好き。
本が沢山並ぶ中にいると、満たされた気持ちになる。
図書館も良いが、それはまた別の話。

「ちょっと本屋に行ってくる」

休日に暇を持て余した時の自分の定番。
「ちょっと」が随分な時間になることもしばしば。

こんな本が欲しいと目的を持って行くのも楽しい。
アテもなくブラブラと物色するのも楽しい。
必要以上に店員さんに声を掛けられることもなければ、何も買わなくても怒られない。 

本屋の魅力は「偶然の出会い」にあると思う。
面白そうな本が「たまたま」見つかる。
予期せぬところで興味や関心が広がる。

好きなもの、興味があるもの。
「手にとる」喜び。
本に限らず、ネットでは味わえない感覚。

* * *

前置きが長くなってしまった。
今日は東京にある本屋の話。
J-waveでとり上げられていて、行ってみたくなったお店。

本屋の中にコーヒー屋とギャラリーがあるらしい。
一体どんな感じなんだろう。

街から本屋が消えていく。
それは寂しい。
本屋の良さをもっと知ってほしい。
本の魅力をちょっと違った形で提案したい。
そんな想いで立ち上げられたのが「かもめブックス」。
 
放送を聴いた週の土曜。
この日も「ちょっと本屋に行ってくる」のメモを机の上に置き、神楽坂へ向かった。

* * * 

(店内撮影禁止です)

神楽坂駅を出てすぐ。
かもめブックスは見つかった。

かもめブックス外観

ガラス張りの入り口にテラス席。
中でお茶をしている人が見える。
ぱっと見はカフェ。
東京はさすがに洒落ている。

右奥でホットワインを売っているのが店主の柳下さん。
ラジオで「ふわふわ頭にメガネ顔」と言っていたから、すぐ分かった。

中は半分カフェ。半分本屋。時々ギャラリー。
そんな感じ。

エスプレッソマシンの置かれたカウンターがある。
カップルがテーブルでカフェラッテをすすっている(本屋で飲む珈琲もオツなもの)。
その横に本棚があり、みんな本を選んでいる。

人でいっぱいだった。
さすが、話題の店というところ。 

本のラインナップは独特。
新しいものも古いものもある。
新刊優遇ではなく、「いいものを」と選ばれている。

本は感覚的にジャンル分けされている。
「明日、旅に出たくなる。」などといったラベルが棚に貼られている。
経済・教養・文庫、というような普通のジャンル分けではない。

本屋スペースは広くない。
昔ながらの小さな書店と同じくらい。
すぐにぐるっと回れる。

奥にはアクセサリーや雑貨、文房具も売っている。
さらに先の3畳ほどのギャラリーには、アート的なものが飾られている。
展示作品は一定期間ごとに変わるそうだ。

“小さなスペースに面白いことをギュッと詰めて” 

そんな印象を受けるかもめブックス。 
来た人がワクワクできるように、細かい工夫がされていると思った。

ノートと文庫を買いました。

そうして結局買ったもの。
小さなノートと文庫本。
せっかく来たから、お土産に。

* * * 

街の書店が減っていく反面。
こうして新しい本屋もできていく。 
本屋は無くならないと思う。

東京には変わった本屋が沢山あっていいなぁ。
地元にも個性的な本屋ができてくれると、もっと休日が楽しくなるのだけれど。 
なんて他力本願に考えてみたりする。


◆かもめブックス

web
・住所 東京都新宿区矢来町123 第一矢来ビル1階
・営業 月~土 10:00~22:00/日曜 11:00~20:00(不定休)
・アクセス 東京メトロ神楽坂駅「矢来口」より徒歩1分