仕事で写真を撮るとき、次の2つのことを目標にしています。

1.美しい写真であること
2.写真を見た人が少し幸せになれること


常にこの2つを目指しています。
できたかどうかは別として、いつも意識しています。


では、美しいって何だろう?
どういう写真なら美しいのだろう?
人と話していて、そんなことを考えました。

・画質?
・明るさ?
・構図?
・機材の組み方?

どれも写真の見栄えを大きく左右する要素ではありますが、それを満たすだけでは美しいとは言えません。もちろん技術的な側面は非常に大切で、僕自身も日々研究と実践を重ねています。


今回は人物写真に限って話します。
どういうときに写真の中の人を「美しい」と感じられるのか、という話です。
可愛いとか綺麗とか、単純な見た目ではありません。

熟考の末、人物写真が美しいかを決める2つのポイントに行き着きました。どちらも当たり前のように意識してながら、なかなか引き出せていないことでした。以下、ご紹介します。



人物写真の「美しさ」のキメテ①|その人らしいこと


その人らしさが出ているかが大事だと思います。
本来の姿、無理していない感じ。
そのような様子を撮れたとき、美しいなあとしみじみします。

簡単そうで難しいです。
誰でもカメラを向けられれば緊張します。

プロのモデルさんでも、100%自然かというと分かりません。
それでもモデルさんは本当にすごいです。

その人らしくいてもらうためには、良いコミュニケーションを行いながら撮影に臨む必要があります。相手(被写体)を気づかい、心和らぐような声掛けが必要です。気持ちと呼吸を合わせます。

普段多い子どもの写真でも、それは同じです。
自然であること、本来の姿に近いこと。
これが僕の目指す美しい写真には欠かせません。



人物写真の「美しさ」のキメテ②|生命力を感じられること


「イキイキしている」
「目が輝いている」

なんてよく言いますね。
これも生命力の表れだと思います。

僕は、生命力とは感情だと考えています。
生きるために必要な喜怒哀楽であり、本能から生じるものです。
大げさに言えば、感情には命の輝きがあります。

笑顔だけが良い写真とは限りません。
泣き顔、ドキドキした顔、何かに立ち向かう顔。
怒っている顔はちょっと難しいけれど、それもひとつ。

基本的には楽しい嬉しい写真を撮ることが多いし、できればそうしたいと思っています。写真を撮る時間そのものが楽しい体験になることをいつも願っています。


人の感情を上手に写真にすること。
これが人物写真の美しさを決める2つ目の要素です。


* * *


理屈っぽくなりました。
いつもこういうことを考えています。

結局写真は「撮れたものが全て」という側面もあります。
さらに、技術あっての話です。
全くおっしゃる通りです。

見た人が少し幸せになれる写真をたくさん撮れるように、これからも頑張ります。
カメラマンは美の探求者です。

長津川親水公園でお花見_花びら投げ

先日のお花見からのアザーカット(未掲載写真)。
おそのさん、表情が美しいです。
僕は一体なんなんでしょう……

(おわり)