写真家、田ノ岡哲哉さん。
津田沼の丸善で花の写真の本を探していたとき。
一冊の写真集に一目惚れした。
ふわっとまぁるく、温かく映された花々。
どうすればこんな花写真が撮れるのだろう。
迷わずその本を購入した。
その本の著者(カメラマン)が田ノ岡さんだった。
田ノ岡さんが撮るのは花だけではない。
他の植物、野菜やフルーツなど。
撮るのは身近な被写体ばかりなのに、不思議な世界観がある。
とにかく大好きな写真家さん。
そんな田ノ岡さんの写真展が開かれているという情報を得て。
先週末、写真展へと足を運んだ。
プロの写真展は初めて。
* * *
降りたのは東京、青山一丁目駅。
あまり来ることのない場所ではある。
青山通りを一本入った道。
ウチの近くにもありそうな普通の、でも心萌える細い路地。
この先に展示会場がある。
…はずなのだが、いつもの様に道に迷う。
会場のギャラリー2014発見。
テラスでは男性が座ってくつろいでいた。
観に来た人のひとりだろうか。
ポピーにアザミ、コスモス。
中には素敵な作品が沢山飾られていた。
絵と間違えるような写真もある。
どれも本当に素晴らしい。
マダムたちがため息をつくのも分かる。
本で見るのとまた違う良さ、感動。
一緒にいる妻が外を見て言った。
「ねえ、あれ写真家さんじゃない?」
テラスに座っていた男性のことだ。
まさかねえ…。
スタッフさんに(一応)尋ねてみる。
「ええ、本人です。」
…。
「大好きな写真家」などと書いておきながら、完全にスルーしていた自分。
お顔は存じ上げなかった。
本当にごめんなさい。
記念撮影に快く応じてくださった田ノ岡哲哉さん(左)。
作品をバックに撮った一枚、大切な記念写真。
写真について質問すると、気さくに答えてくださった。
どのように花を観察しているのか、不思議な背景色はどうやって出すのか。
露出補正や絞りなどの「数値」だけでは分からない部分を教えて頂いた。
「花の写真が好きな若い男性は珍しいね。是非続けなよ。」
「真似もいいけど、自分の作風を創らなきゃ。」
「写真関係の会社に送ってみたら?友達だけじゃなくてさ。いろんな人に見てもらったほうが良いよ。」
アドバイスも色々頂き、励みになった。
もっともっと写真が撮りたくなった。
「ファンがつけば仕事になるんだよ。」
なるほどなぁ…。
まさかご本人にお会いできるとは予想だにしなかった。
とにかく収穫の多い写真展だった。
来て良かったと、心から思った。
* * *
帰り道。
青山から千駄ヶ谷駅へ向かう。
その途中には有名な神宮外苑の銀杏並木がある。
まだ紅葉の途中。
落ち葉のじゅうたんもできていない。
でも僕はこの緑と黄色のコントラストはとても好き。
いい一日だったな。
ほくほくした満足感を胸に、総武線に揺られて帰った。
お土産に買った田ノ岡さんの写真ポストカード。
使うのがちょっと勿体ない。
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