最近、枕を変えた。

今まで使っていたのは大きめでふかふかの綿入り枕。
高校の時、亡くなった祖母が買ってくれたものだった。
記憶が正しければ無印良品で。 

何度引っ越してもその枕はついて来た。
落ちないシミがいくつも出来て、中綿はすっかりつぶれてしまった。
それでも何となく捨てられずに使っていた。

不思議なもので枕が変わると急に寝付きが悪くなる。
出張ばかりでビジネスホテル暮らしだった頃、その寝心地の悪さに困ったものだった。
決して眠れないことはないのだけれど。
家の枕が一番落ち着いた。

そんな枕との別れは突然にやってきた。

「枕、もらってきたから。」 

妻がお義母さんからもらって来たらしい。
今ので十分だったので、お客様用としてしまっておけば良いと思った。
しかしどうしても使えと譲らない。

低反発枕

もらって来た枕はこんなやつ。
いわゆる「低反発」の枕。

こんなに小さな枕で寝られるもんか。
もっとふかふかじゃなきゃ嫌だ。
 
ぶーぶー思いながら(言いはしない)新しいまくらに頭を載せてみる。
ほら、やっぱり。
固くて眠れる気がしない。

「じゃあこっち(古いやつ)は捨てておくね。」 

十七年を共にした枕は静かにその役目を終えた。



新しい枕で一晩眠ってみる。
やはりどこか違和感のある朝を迎えた。

さらに枕がハーブ(スパイス?)臭い。
前日に食べたハーブの匂いが頭皮から染みだして枕に移ったのか。
自分の加齢臭も疑った。

枕の生地にラベンダーの香りがほんのり付けられているらしい。
何もそこまでしなくても…と思わなくもない。

枕が変わって約半月。
やっと慣れてきた。
慣れるとすごく寝心地が良いことが分かった。

もともと眠りが浅いのだけれど、睡眠中に目が覚めることが減った。
そして余りに気持ち良くて寝起きが悪くなった。
いいんだか悪いんだか…。

枕が大事だとよく聞くのは本当だなと。
低反発枕、今さらだけれど良いです。