高根木戸に、とてもコアなお店がある。
アジアとアフリカのアンティーク専門店「BUONA VISTA(ブオナビスタ)」。
ちょっとした思い出のある場所でもある。
結婚前、ここで揃いの指輪を買った。
くすんだ質感が好みで。
お金が無くて一つ500円くらいのものだった。
あの指輪、今はどこにあるんだろう。
先日、再びブオナビスタさんを訪ねた。
アジアっぽい皿が欲しいという理由で。
* * *
お店は住宅街の中にある。
と言うよりも、普通の家の1階を改装して店を始めた感じだ。
創業は1999年。
![ブオナビスタ入り口](https://livedoor.blogimg.jp/ando_shinsaku/imgs/d/6/d60b2f9c-s.jpg)
こちらが入り口。
営業時間以外は看板も出ておらず、知らければ多分わからない。
ここは知っている人・きちんと目的を持った人に来て欲しいお店なのだと思う。
そーっと中に入る。
静かな音楽とお香の煙の揺れる音だけが聞こえる。
小さな声でもおしゃべりしようものなら、たちまち響く。
厳かな雰囲気。
写真を撮れる感じではない。
賑やかな雰囲気のアジア雑貨店とは全く別モノ。
扱っているのは少数民族の工芸品や、チベット密教の美術品など。
法具や像、置物を見ていると、美術館にでも来たような気分になる。
美しいビーズやネックレス、アクセサリー類も沢山ある。
こちらは「比較的」手の届きやすいお値段(中には万単位の商品も)。
それっぽいものではなく、ホンモどことなく神秘的な印象を受ける。
今日の目的は皿だ。
それもアジア「っぽい」皿。
お皿はありますか?と、お姉さんに尋ねてみた。
「古民具はありますけど…穴が開いていたりでお望みのものは無いかもしれません。」
ビーチサンダルで来たことが急に恥ずかしく思えた。
「よければ奥にアンティークがあるので、ご覧になってみてください。」
お姉さんは静かでいて親切だった。
以前に来たときは奥にも部屋があることに気づかなかった。
* * *
中庭のような部屋を抜けて扉を開ける。
さらに荘厳な部屋があった。
![shop-10a1](https://livedoor.blogimg.jp/ando_shinsaku/imgs/a/a/aa49dc8c.jpg)
(こんな部屋/写真はお店のサイトより)
カウンターには黒い布を頭に巻いた兄さんが立っていた。
向かいには鑑定士のような出で立ちの男性が腰掛け、なにやら吟味している。
鑑定士(仮)は僕に一瞥を投げ、またすぐに目線を手元に戻した。
たくさんのガラスケースには色とりどりの石や、年代物の美術品が大切にしまわれている。
宝石屋みたいな什器だと思った。
「何かお探しですか?」
お兄さんが声をかけてくれた。
料理で使う皿を探していることを伝える。
「ウチの商品はプロセスを理解して頂ける方にはお楽しみ頂けると思います。モノに込められた背景ですね。 朱印船貿易時代のものもあります。400年くらい前に実際に使われていたものです。お皿や調味料入れもあって、使えるには使えます。」
自分にその「プロセス」を理解するのは難しいと思った。
目を丸くして眺めるのがいいところだ。
その「お皿」と呼ばれたものは、古びた木で出来た丸皿だった。
300円くらいのの皿をと考えていた自分には値段を訊くことすら躊躇(ためら)われる。
(多分安くて数千円、数万円してもおかしくない。)
しげしげとアンティークを眺めて一回り。
それからお兄さんが淹れてくださった冷たいお茶を一気飲み。
先の部屋のお姉さんにもお礼を述べ、お店を後にした。
* * *
望む皿は見つからなかった。
ちょっと恥ずかしくもあった。
知っている人が来るお店。
本当に好きな人だけが集まる場所。
お店の方も好きで好きで、誇りを持ってやっているんだな。
それからショッピングモールのアジア雑貨屋へ向かった。
ここでも皿は見つからなかった。
またゆっくり探しに行こう。
◆アジアとアフリカのアンティーク専門店「BUONA VISTA(ブオナビスタ)」
・web
・Blog
・住所 船橋市西習志野1-11-10
・営業 11:00~19:00/火水休
・電話 047-468-4110
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