スイレン

「小さなことがちゃんと出来なければな、大きなことなんて出来ないぞ。」 


昔の上司に言われた言葉。
事あるごとに思い出す言葉。
当時は「そうだよなぁ」くらいに思っていただけだが、今になって身にしみている。 

「ちゃんとやる」とはどう言うことか。
勝手解釈ではあるが、丁寧に取り組むことだと考えている。

では「丁寧に取り組む」とは?
単に時間を掛けることではない。
それは相手のことを考えてベストの行動(選択)を取ること。
どうすれば相手が喜んでくれるか、満足してくれるかを考えること。
小さな場面・仕事であっても最善を尽くすことだ。

メモ書き一枚にも丁寧さは表れる
写真一枚にも丁寧さは表れる。
電話一本だってそうだ。
全ての行動一つ一つに丁寧さは表れる。

簡単なようなところでなかなか出来ない。
つい雑になってしまうこと、自分にもある。

“拙速(ちゅうそく)は巧遅(こうち)に勝る”

という古い言葉がある。
完璧で遅いよりも、不完全であっても速(早)い方が良い-の意味。

これは不完全なもので良いからサッサと出せ(提供しろ)、ということでは無いと僕は思う。
「相手を心理的に待たせないように」だと解釈している。
リアクションは早いほうがいい。
もし時間が掛かるならば、マメに連絡を取るなどをする。

何も言われずに待たされるのは誰しもツラい。
「ごめんね時間かかって」と一声かけられるだけで、気持ちが少し楽になる。
これは気遣いであり、丁寧さだと思う。

むかしむかし。ファストファッション店で少しだけバイトをしていた。
ある日、店長に怒られた。
「安藤さん、丁寧なのは良いんだけど遅すぎるよ。」
僕にとってはそれが考え得る最善のサービスを提供できる最速スピードだった。
自分は間違っていなかったと今でも言い切れる(頑固)。
それから間もなく店を辞めた。
どうやら大量生産は性に合わないようだ。

* * *
 
話が逸れた。

小さなことでも丁寧にやる人にはファンがつく。
これが今日のテーマ。

小さなことを丁寧にやる人は信頼される。
自分のことを考えてくれているんだなと感じる。
安心して任せられる。
次もお願いしたくなる。

小さなことを雑にやれば信頼を失う。
あー、この人いい加減だなと感じる。
自分が大切にされているとは思えず。
お店であれば「もう来たくないな」と思ってしまう。

この人いいな、勉強になるな、またお願いしたいなと思える人。
自分の周りに沢山いる。
そのような人に共通するのは「丁寧であること」。 
小さなことでもきちっと仕上げてくださる。
小さな気遣いが沢山ある。
最後までピシっと締める。

それはどんな仕事にも共通する。
仕事以外にも通ずる。

小さなことを丁寧にやるから、信頼されてより大きな依頼が来る。
小さなことを大事にするから、より多くの依頼が来る。
ファンが増える。

大を掲げるのも立派。 
それでもまずは足元の一歩を丁寧に踏むことだ。 

誰かに関わる部分。
小さくても大切にしなきゃ。
丁寧さも雑さも、相手はしっかり感じとる。



と言うことを元上司は9年前、僕に伝えたのかったかな。
などと考えてみた。

できてないな。
失敗ばかりだ。
反省したら、次に生かそう。