「安藤さん、咲きましたよ~。」 

ご連絡くださったのは船橋市・二和東の梨園、船芳園(ふなよしえん)の加納さん。
お父様が多色のサツキを育てておられ、毎年この時期に見頃を迎えるそうだ。
僕が花の写真が好きなのをご存知で、わざわざご連絡くださった。

サツキはツツジの一種。
五月(皐月)に咲くことからサツキと呼ばれる。
サツキツツジとも言う。

一昨年のものを写真で拝見したとき、これは見事だと。
メールを頂いた当日に船芳園さんへ伺った。

* * * 

到着すると、おじいさんがベンチに座っていた。
結構な量のソラマメをサヤから取り出している。

この方が加納さんのお父さんだろうか。
歳が少し離れ過ぎている気もする。 

おじいさんと話していると、加納さんが中からいらした。

「ゆっくり見ていってくださいね。」 

お言葉に甘えてじっくり見ることに。 

七色のサツキの花③

畑の隣にずらりと並べられたサツキ。
一株から沢山の色の花が咲いている。
以前「三色の花桃」という記事を書いたが、色の多さはそれに勝る。
一般的なサツキに比べて背が高く、花数も多い。
写真で見たよりずっと、ずっと素晴らしい。

七色のサツキの花④

サツキの育ての親、加納さんのお父様が色々教えてくださった。
先のおじいさんではない。
お父様は日焼けした肌が精悍な方だった。 
どことなく俳優っぽい。

「サツキはさ、一株に七色の花が咲くって言われてるんだ。」 

七色(なないろ)の花。素敵な響き。
七色どころか一輪一輪の色が全て微妙に異なる。 
花の様々な模様、花びらの形には、それぞれ名前が付いているそうだ。

ツツジは基本的には一株で一色。
多色のものもあるが、サツキほどには色が混じらない。
サツキは単なる「ツツジの一種」ではなく、れっきとした個性を持った花だった。
 
もう少し近づいて撮ってみる。
一つの花にも複数の色が混じっているのが分かる。

七色のサツキの花⑥

花の美しい模様が魅力。

七色のサツキの花⑦

つぼみにも柄がある。

七色のサツキの花①

濃いピンクから白へのグラデーション・ストライプ。
二つとして全く同じ模様は無い。

七色のサツキの花⑧

よく見かけるサツキはこの系統の色。

七色のサツキの花⑤

いいなぁ。

七色のサツキの花⑨

一輪だけ花びらが一枚多いものを発見。
通常は5枚、これは6枚。
四つ葉のクローバーのような感じなのかな。

七色のサツキの花②

うーん…本当に立派だ。

* * *

気づくと結構な時間が経っていた。 

「これ、持って行ってください。」 

加納さんにお土産まで頂く。
パクチーの苗とスイスチャードという野菜。
どちらも加納さんの畑で育てられたもの。 

スイスチャード

これがスイスチャード(西洋フダンソウ)。
茎がとてもカラフル。
こっちは七色の野菜だ。
めはり寿司(てまり寿司のようなもの)にして美味しく頂いた。

加納さん、色々とありがとうございました。
今日もいいものが見れました。