「家を買ったから火災保険をお願いしたい。」
そんなご依頼を昨年末にいただいた。
35年、長期のご契約。
三年前(僕がこの仕事を初めて間もない頃)に生命保険の相談をお受けした方。
その時は「今の保険のままで良い」という話になった。
この三年前のことを覚えていてくださり、
家を購入されるタイミングで自分を思い出してくださったそうだ。
「保険、やってたよね。」
と。
本当に有り難いこと。
嬉しくて、仕事納めを前に気がゆるみそうになった。
僕たちの業界では「顔を思い出してもらえる」というのが非常に大切。
お客さまはいつも保険のことを考えているわけではない。
保険のことを考えるのは生活に何かしらの変化があったとき。
就職したり、車や家を買ったり、結婚したり、子どもができたり、病気にかかったり。
何らかのキッカケがあり、タイミングがある。
(考えるキッカケを作るのが提案営業なのだが)
だからグイグイすすめられたところで、「欲しく」なる商品ではない。
保険が「好き」という人に僕はお会いしたことがない。
そのタイミングに。
「そうだ、あの人に聞いてみよう。」
思い出して頂けること。
色々な業界で同じことが言える。
チラシを作りたい → 「あの人に作ってもらおう」
大切な日に花を贈りたい → 「あのお店(人)でやってもらおう」
◯◯と言えばあの人、とすぐに連想されることが「思い出してもらえる」ということ。
そこには実績が必要。
信頼が一番大事。
信用できない人に何かをお願いしようとは思わない。
特に保険は商品が目に見えないから、特に人間性が問われる。
* * *
先の火災保険(35年)のように、保険の契約は長期に渡ることが多い。
34年後でも、お客さまの家に何か起これば僕がフォローアップする。
そういう覚悟がなければお受けできない。
「終身保障」を謳う医療保険のCMがたくさん流れている。
25年後に大きな病気になったとして、手続きをしてくれるのは誰だろうか。
コールセンターのお姉さん?
保険は長期商品。
大げさに言えば、
目の前のお客さまの人生に携わるもの。
僕たちの責任は重い。
* * *
とは言え思い出してもらえるのをじっと待っているだけでは商売にはならない。
それで成功するならみんな成功している。
保険も昔のように「一度入れば一生安心」というものでは(ある意味)なくなっている。
良くて安いものがあれば乗り換える方も多いだろう。
常に新しい商品が開発される。
その人に、その会社に、より合う商品を考える。
提案。相手にとってより良い提案。
知恵を絞り、工夫して、より役に立つ提案をしなければならない。
そして(自分を・提案した商品を)選んでいただかなければならない。
役に立てなければ、選んでもらえない。
「思い出してもらえること」
「選んでもらえること」
両方必要。
もっともっと、頑張らないと。
今年もマイペースでいくけど、そのスピードは上げないと。
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