若松劇場。
それは千葉県で最後まで残っていた、船橋のストリップ劇場。 
2013年の夏で閉鎖、取り壊しになっていた。

街の一つの歴史として書き残したい。 

※内容に不適切な表現がありましたらばご指摘ください。

* * * 

若松劇場は船橋市本町にあった。
祖父母の家(祖母の生家)から徒歩2分。

この界隈は「新地(しんち)」と呼ばれている。
なぜ新地と言うのかは分からない。

昼間に行くと普通の住宅街。
子どもがスケボーで遊んだりしている。

若松劇場があった方面。
小さいころ、祖母には「そっちに行っちゃ駄目だよ」と言われていた。
昔はド派手な宣伝カーが賑やかに駅周辺を走っていたのを覚えている。

当エリア、昔は色街だったそうだ。
子供の頃この近くに住んでいた大叔母(祖母の妹)に話を聴いてみた。
もう70年以上前の話になる。

「格子窓から真っ白にお化粧をしたお姉さんたちが通りの方を見ていてね。
なんでこんなに顔が白いんだろうと思ったわよ。」
 

今風に言えばキャッチだろうか。
小さな大叔母には不思議な光景だったと思う。

* * * 

さて、若松劇場の跡地へ。
自転車で行ったら素通りしてしまった。 

二人組のおじいさんに尋ね、酒屋の奥さんに聞き。
やっと若松跡地に到着した。

閉鎖になった若松劇場跡地
 
本当に何もなかった。 
ぽつんと寂しく更地が広がっていた。

立て看板によれば、ここには住宅が建つらしい。

まっさらになった跡地を眺めながら、
小さいころ駄菓子屋さんに行きがてら横目で見た若松劇場を思い出してみたりした。