母が「船橋の寿司屋ではここが美味しい」と言うお店。
僕よりずっと色んなお店を食べ歩いている母のオススメだから、ある程度の信頼性はある。
回らない夜の寿司は高い。
土曜のランチに行ってみた。
* * *
お店の名前は「御旦孤(おたんこ)」。
ちょっと変わったネーミング。
JR船橋駅のシャポー側を抜けてすぐ。
ビルの二階に入っている。
エレベーターの扉が開くと、目の前にすぐ暖簾。
寿司割烹、御旦孤。
寿司屋なのだけれど、割烹でもある。
「らっしゃい!」
寿司屋ならではの威勢のよい声が迎えてくれる。
カウンターの中には職人さんが三人。
店内は思ったより広い。
いけすに泳いでいるのは穴子だろうか。
僕は寿司ネタでは穴子が一番好き。
席に着く。
ほどなくして、ハスキーな声が色っぽい女性が注文をとりに来てくださる。
寿司ランチで迷うことはない。
必ず「ちらし」を頼むことに決めている。
上・並にぎりもある。
でも、ちらし寿司がいい。
例えネタとご飯の分量が「にぎり」と同じであっても、
ちらし寿司の豪華な見た目はそれだけで満足感がある。
ちらし、一丁。
待っている間に店内を見回す。
奥の座敷から賑やかな声が聞こえる。
どうやら数十人単位で宴会が開かれているようだ。
板前さんが忙しそうに沢山のお造りを用意していた。
注文が運ばれてくるのは早い。
先に出てきたのはうどん。
少し驚いた。
言われて見れば、寿司と小盛りの蕎麦・うどんのセットはよくあることだ。
外食が少ないので、そんな基本を忘れていた。
小鉢と言うには少し大きなうどん。
薄味で甘口のダシが上品。
一見多く見えるが、麺が平ぺったいのでペロリといける。
そしてメイン。
御旦孤のちらし寿司。
昼から鮨を頂く贅沢。
トロ、まぐろ、イカ、イクラ、赤貝、甘エビ。
ちらし寿司に関しては、イカをだいたい一番に食べる。
イカはネタの鮮度のバロメーターな気がする。
ゴムみたい食感の真っ白なイカは✕。
ココのは程よく透き通っていて甘く、溶けるような自然な食感があった。
いいイカだと思う。
ほかのネタも美味しい。
珍しかったのは炙り鰆(さわら)。
11月終わりでは少し季節が早いような気もしたが、すごく旨かった。
燻された薫りに淡白な味わい。
皿に盛ってもらい、ポン酢で食べたら最高だろうな。
食べ終わり、お茶をすする。
カウンター越しに、板前さんの話が耳に入ってくる。
別のお客さまと話している。
「ほぼ毎日来てくれるお客さまがいらっしゃるんですよ。
“(お歳なので)食べきれなくてごめんなさいね”といつも気を遣ってくださるんです。
有り難いことです。」
そうか。
このお店もそんな常連さんに愛されて続いているんだ。
自分はそんなに頻繁には通えないけど、たまにランチに来たい。
家から歩いて行けるのが嬉しい。
そしていつかは夜も来てみたい。
船橋駅近くの寿司屋、御旦孤。
ごちそうさまでした。
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