船橋市民マラソン大会を走ってきた。
年に1回、秋に開かれている。
今年で16回目。
僕は大会の存在を最近知った。
もちろん初参加。
以前は同じ時期に「汗一平ロードレース大会」があった。
コースも同じ。
おそらく、名前が変わったものだろう。
中学生のときに走った。
今回の参加者は約1100名。
朝8時前に会場に着くと、沢山の学生や親子、応援の人でにぎわっていた。
陸上競技場の赤いトラックを見ると今でもワクワクする。
色々と思い出す。
開会式にも出てみた。
まっすぐ、乱れることなく並ぶ中高生。
知っている顔を見つけた。
中学の陸上部の1コ上の先輩。今は高根中の先生。
「先輩は走らないんですか?」と声をかけようと思ったが、怒られそうなのでやめた。
レースまで少し時間がある。
一人だと退屈なものの、今回は付き添いがいる。
今日は妻とマネージャー役交代。
荷物番に写真撮影、本当に助かる。
朝6時半に起きてくれてありがとう。
お義母さんも応援に駆けつけてくれた。
自作の応援グッズ持参で。
ちょっと恥ずかしいが、嬉しい。
* * *
スタート1時間前。
コースの下見とウォーミングアップを兼ねて走りに行く。
思い出のコース。
中学時代、高校時代と何度も走った夏見の運動公園。
少しずつ感覚が戻っていく。
最後に走ったのは高2の「成人の日記念駅伝大会」。
今も変わらず1区は運動公園内を走り、御滝中学校へ抜けていく。
僕は駅伝ではいつも1区を進んで受け持った。
はじめの1区の順位はそのままその後のチームの順位になる。
できる限りよい順位でつなぎ、ポジティブな流れを作る。
それが1 区の役目。
アンカーのような華やかさはないが、この役目が好きだった。
…と、想いをめぐらせながら体を温める。
中学生のレースがスタートした。
これから一般・年齢別と時差式にスタートが切られていく。
9時20分。
自分が出場する30代男子の部の集合時間。
集合場所には、見たことのある顔があった。
13年前(高2)の元旦マラソンで同じ場所を一緒に走った人だ。
走り方に特徴があったし、何よりトップを競ったから覚えている。
間違いない。
付き添いの方に挨拶をした。
13年ぶりに一緒に走るその人は、名前をSさんと言った。
気持ちが一気に13年前に戻る。
ちょっと泣きそうになった。
あの時と同じ勝負…。
しかし思い出に浸る間もなく、スタートまで残り1分だと告げられた。
集中。
…
号砲が鳴る。
この日。3位入賞を目標にしていた。
はじめから先頭集団について行くつもりだった。
トップの3人が速い。
レースへ向けてきちんと練習している人の走り方だ。
無理すればついていけるかもしれない。
でも後で必ずヘバるのが感覚的に分かった。
悔しいが少し離れて走ることに。
自分の決めたペースを守って走り切る。
これが大事。
トラックの周回で、先のSさんと並んだ。
13年前と同じく、隣合わせで走る。
昔と全く変わらない走り方だった。
Sさんのゼッケンを見ると40代。
負けるわけにはいかない。
少し前に出る。
後ろを振り返ることはなかった。
5㎞は長距離走者には短い。
だが、短いぶんスピードが速いからキツいのはいっしょ。
中盤からが本当にしんどかった。
感覚に体がついていかない。
足よりも内蔵が苦しい。
完全なトレーニング不足。
それでも気持ちが折れなければある程度ペースは保てる。
時計は一度も見ずに、ただ前の人の背中を追う。
最後の上り坂を登る。
足が回らない。
腕の力で体を前に持っていく。
残り100メートル。
鮮やかなラストスパートなぞ無理。
ガタガタになりがら、ゴールに駆け込んだ。
気持よかった。
* * *
タイムは納得のいくものではなかった。
が、楽しかった。
30代男性の部で3位に入賞できた。
表彰台。
背筋が伸びる。
嬉しい。でも悔しい。
来年こそは1位を狙いたい。
あと1分速く走れるようにならないと。
はじめから3位を目標にしては、1位は絶対にとれない。
一番は一番を狙わなければ成し得ない。
陸上は最も言い訳のきかないスポーツの一つ。
自分の行いが結果のすべて。
条件は皆同じ。
誰のせいにも、何のせいにもできない。
そうだ。
この大会には親子レースもある。
いつか子どもができたら、一緒に走るのが夢。
…
やっぱり走るのが好きだ。
いくつになっても、走り続ける。
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