船橋市場の老舗、尾崎海苔店さん。
御年80近い(と思われる)こちらの奥さまが

「船橋辺りじゃここのお寿司が一番おいしいですよ。」

と、教えてくださったお店。

東船橋の和光鮨さん。

寿司屋とつながりの深い海苔屋さんのオススメ。
絶対に間違いない。

世界で一番、寿司が好き。

早る気持ちを抑えられず、行ってきました。

* * *

大神宮方面から東船橋へ抜ける道。
いつも通っているのに、寿司屋があるなんて気づかなかった。
半地下にあるから仕方が無い。

創業38年。

和光鮨外観

こじんまりした外観。
ドキドキしながらのれんをくぐる。

「黙って食いな!」

名店にありがちな、そんな雰囲気を想像していた。

違った。

穏やかな笑顔の大将、船橋中学校出身の明るい奥さま、
そしてよく気の利くご子息が迎えてくださった。

座敷

カウンター8席に小上がりの座敷にテーブル2つ。
ちょうどよい狭さ。

焼酎にほんのり頬を染めた近所のおじさんや、
仲睦まじく待ち合わせる60代夫婦の姿があった。

昔ながらのお寿司屋さん。
居心地がよく、ほっとする。


カウンター越しに世間話を少々。
どうしても待てなくて刺身の盛り合わせを頼んだ。
寿司屋で刺身。この上ない贅沢。

刺盛り

大好物の鯛。
甘くとろけるトロとイカ。

味音痴の自分にも新鮮なのが一口で分かった。 
ネタは全て、船橋市場で目利きしたものを使っておられる。
 
僕は寿司屋に来たときだけ、進んで日本酒を飲む。
寿司と日本酒は夫婦みたいなもの。

縁起のよい名前だなと、
この日は「副祝(ふくいわい)」というお酒を頼んだ。
千葉・君津の地酒だそうだ。
きりりと冷えた中のやわらかな甘みが優しかった。

桜えびと三つ葉のかき揚げ

「旬のものが入っていますよ。」

お出しいただいたのは桜えびと三つ葉のかき揚げ。
さくり、さくり。
噛むたびに海老の香ばしさとアツアツの油が、じゅわっとしみ出す。
楽膳さんのかき揚げとまた違う「軽さ」があった。

生牡蠣

生牡蠣。
お酒でつるりと流しこむ。
つうと、喉で音がした。


これだけでだいぶお腹は膨れる。
しかし、まだメインが出てきていない。
 
握り。

大好きな穴子をリクエストし、あとはおまかせで握っていただいた。

にぎり

 下駄にのりきらず、丸皿で登場。

小さめのシャリにの上に、静かに座る艶やかなネタ。
素人目にも丁寧に握られているのが分かった。

一つ一つ、じっくりと味わう。
「旨い」以外に言葉が思いつかないのが悔しいが、旨い。

ただひたすら、幸せな気持にひたった。 


値段も一貫110円~420円と手頃。
お財布を気にしていたら味も分からなくなる。

高くて美味しいものは沢山ある(のだろう)。
でも2万も3万もする寿司には興味が持てない。

「安くて旨い」こそ、“小さいけれどいいもの”の条件。
そう考えている。

(もちろん安ければいいわけではない)

僕の好きなお店は、いつも安くて旨くて小さい。
そして見栄を張らず、手を抜かない。

和光鮨さんも、そんなお店の一つ。

長く続くにはワケがある。

また来よう。
近所だから、ランチもいいな。

 
●和光鮨 

Web
・住所 船橋市市場4-1-1-102 ※P2台
・営業 11:30~22:00(ランチあり) ※火曜休
・電話 047-423-7065