自分がサービスを受ける上で、
相手(サービスの提供側)に相談していたときのこと。

“もうちょっと融通を効かせてくれればいいのになぁ…”

心のなかでボヤいた。 

少し無理なお願いだとは承知していた。

「融通を効かせる」って何だろう。

同じく商売をする身として、大切な視点だと思った。

* * * 
 
どの会社・サービスにも規約がある。
個人で商売をしていても決まりはある。

それは経営を続けるためのものであり、
組織と社員を守るもの。 

よるべ、ルールは大事。
絶対に超えられない一線がある。
 

ただ。なんでもかんでも「できません」は寂しい。 


・サービスの受け手の「こうしてほしい」
・サービス提供側の「ここまではできる」 

この2つをすり合わせて、
双方が納得できる「新しい提案」を生み出すことが
融通を効かせる-ではないだろうか。 

新しくルール(例外)を作るのではない。
ルールの上で新しい提案ができること。

サービス提供側がちょっと視点を変えることで、
相手に喜んでもらえる。納得してもらえる。

ガッカリされるより、喜んでもらいたい。
ちょっとした心遣い。


商売により顧客に提供するものは違う。
でも基本は相手に喜んでもらえて、サービスだと思う。

当たり前だけではダメ(勿論“いつも同じ”は安心につながる)。
相手の期待を上回れるかどうか。

融通を効かせることで、 顧客に「嬉しい」と感じてもらえる。
それはサービスの提供側にとっても嬉しいことのはず。

* * * 

あるお店での一場面。
融通が効くってこういうことかなと、学ばせていただいた。 


客A:◯◯さん(店主)、ビールほんのちょっとだけ飲みたいのですが。
店主:じゃあグラスに半分だけ注いどくよ。100円ね。

客B:マスター、おにぎり以外で何かお腹にたまるものはありますか?
店主:試作品のキーマカレーならお出しできますよ! 

キーマカレー
(どこのお店か分かったアナタはツウ!正解はこちら。)

ビール一杯の価格は決まっている。
「グラス半分」というメニューはない。
試作品はお品書きに載らない。
 
ちょっと融通を効かせることで、満足してもらえる。
100円でビールをちょっと出したとして、経営に大きな影響は出ない。 
店主さんにとっての「譲れる範囲内」。 

こちらお店のこんなところも好き。


“こうしてほしいな”と思ったとき、かゆいところに手が届く。
さり気ない気遣いに嬉しくなる。


お互いが気持ちよく居られる一工夫。

小さな差が、大きな違いになる。

融通が効くひと。

支持されるには、ワケがある。