初めて祖母をデイサービスに迎えに行った。
(病気のリハビリのために通っている)
浦安。少しばかり遠い。
帰り道。
湾岸道路を普段の7割のスピードで運転していた。
ふと、後ろから祖母の声がした。
「ほれ」
背中越しに、祖母が何かを差し出したのが分かった。
右手はハンドル。
前を見ながら、左手を後ろへ伸ばした。
手にとってみると、それはあったかいパンだった。
どうやらデイサービスのパン教室で作ったらしい。
* * *
年明けに病で倒れて以来、すっかり言葉数が減った祖母。
僕がお腹が減ってないか心配してくれたのだろうか。
昔と変わらず孫を気遣ってくれる優しさが嬉しかった。
子どもの頃。
祖母がよく段ボールいっぱいのお菓子を送ってきてくれたのを思い出した。
どこで買ったのか不思議な、一昔前の駄菓子たち。

今は主に母と叔母が祖母の面倒を見てくれている。
僕もデイサービスへの送り迎えや、
祖母が大好きな買い物に連れて行ってあげるのはもっと積極的にやろうと思った。
そんなことを考えている間に家に着いた。
祖母がくれたパンをかじった。

ちょっと固くて、ふんわり甘い。
いかにもおばあちゃんらしい味がした。
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(病気のリハビリのために通っている)
浦安。少しばかり遠い。
帰り道。
湾岸道路を普段の7割のスピードで運転していた。
ふと、後ろから祖母の声がした。
「ほれ」
背中越しに、祖母が何かを差し出したのが分かった。
右手はハンドル。
前を見ながら、左手を後ろへ伸ばした。
手にとってみると、それはあったかいパンだった。
どうやらデイサービスのパン教室で作ったらしい。
* * *
年明けに病で倒れて以来、すっかり言葉数が減った祖母。
僕がお腹が減ってないか心配してくれたのだろうか。
昔と変わらず孫を気遣ってくれる優しさが嬉しかった。
子どもの頃。
祖母がよく段ボールいっぱいのお菓子を送ってきてくれたのを思い出した。
どこで買ったのか不思議な、一昔前の駄菓子たち。

今は主に母と叔母が祖母の面倒を見てくれている。
僕もデイサービスへの送り迎えや、
祖母が大好きな買い物に連れて行ってあげるのはもっと積極的にやろうと思った。
そんなことを考えている間に家に着いた。
祖母がくれたパンをかじった。

ちょっと固くて、ふんわり甘い。
いかにもおばあちゃんらしい味がした。
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