船橋駅南口から西武の前を過ぎ、本町通りへ抜ける界隈。
裏路地には細道が複雑に入り組む。
怪しげな雑居ビルも少なくない。
幼い頃、祖母に「ここは通っちゃだめだよ」と言われていたエリア。
大人になった今ではよく歩くようになった。
  
小さいお店がごちゃっと並ぶ。
どこか懐かしさを感じる道。 

火鍋のみやまさんやカウンターバーの久保田さんなど、
地元の人気店が集まる場所。
「足を踏み入れると帰れない地帯」と言われ、
ココで終電に別れを告げたは幾度か。

裏通り

写真はちょうど楽膳さんの「裏」に当たる。
この日は楽膳店主の荻野さんにお声がけいただき、
裏道にひっそりたたずむフレンチ、「セレナ」さんへ。 

セレナ外観

あまりのさりげなさに、一度お店を素通りしてしまった。
「隠れ家」なんてよく聞くけど、そんな感じ。

中はそんなに広くない。
シンプルでモダン。
食堂より洒落ていて、レストランよりカジュアル。
騒がし過ぎない感じはデートでも一人でも落ち着けそう。

飲み物はフレンチだけあってワインが多い。
白とスパークリングのボトルを5人でシェアしていただく。
ワインをボトルで頼むとちょっと大人な気分にひたれる。

シェフは荻野さんの同級生。
不思議なところでつながる面白さ。

前菜5種盛り合わせ

美しく盛られた前菜。
味はしっかりめ。 
普段は食べない「クスクス」に一同興奮。
“今が過去最高”と騒ぎながらつまむフレンチ。

バーニャカウダにも見たことのない野菜が盛られていた。
濃厚なチーズリゾットもよくワインに合う。 
なんとなく、あまり写真は撮らなかった。 

料理は一皿1,000円前後。
たまには少し背伸びをして、こんなお店もいいかもしれない。
 
* * *

シャンパングラスを傾けながら、荻野さんがおっしゃる。 

「俺はさ、楽膳がみんなが気軽に寄れる店であってほしいんだよね。
だから価格も抑えめにしてるんだ。」 

僕は見事にこの思惑にハマっている(笑)
荻野さんのこんなところ、好きだなぁ。


しっかりご飯を食べてもいい。
飲んだ後にちょっと寄ってもいい。
待ち合わせにも使える。 

喫茶店で500円払うなら、楽膳で一杯飲めるじゃん。 

そう考えてしまう。 
(喫茶店の皆さん、ごめんなさい。)

ほっとできる場所があるっていいな。


そう言えばセレナさんには「シェフのきまぐれ」なるメニューがあった。
楽膳さんにも気分次第で出てくる「裏」メニューがある。
(出会えたらラッキー)

チャーハンを作る荻野さん

和食、ときどき中華。
チャーハン作り。

こんな一場面もまた、通う楽しみ。

ワカサギ南蛮漬け

すっかり春。
ワカサギ南蛮漬け。

隠れ家フレンチ改め、楽膳の二つの「裏」のお話でした。