自分もデザインができたらこんなものも作ってみたい。
(今からでも遅くない。勉強あるのみ。) 

そう思える紙媒体。

それが木村千郷さんのニュースレター

木村千郷さん

ニュースレター「いいね!」と思う仲間がどんどん集まって、
みるみる間に広がった。 

それだけみんなが「気になる」理由はどこにあるのだろう?
自分なりに考えてみた。

* * * 

改めてニュースレターの紙面を見てみる。

酒場ごよみ

いわゆるチラシでも広告でもない。
千郷さんのニュースレター。

思い返してみる。
例えばマンションの集合ポストの脇にドサッと捨てられたチラシ。
陽の目を見ずに消えていく。
センミツ(1,000枚配れば3件ヒットする)などと言われたのは昔の話。
それでも続けられている。
 
私たちが目にする情報は増え続けている。
毎日に広告があふれている。
その中で「読む・読まれない」の基準は厳しくなっている。
人は広告に鈍くなっている。

どんなにお金をかけて綺麗なものを作っても、
読まれなければいっしょ。

心に響かなければ意味が無い。
興味の無い情報の押しつけは相手にとって負担でしかない。

* * * 

じゃあどうすればいいのか?

自分で書いていてそう思う。 
その一つの提案をしているのがニュースレター。 

いわゆるチラシ・広告と何が違うのか。


①人を感じること

これが一番大事ではないだろうか。
自身が新聞を書くときにも大切にしている点。
ニュースレターは「人と人との距離」を少し近づけてくれる。 

楽膳

楽膳さんの紙面。
店主の似顔絵を常連さんが月替りで描いたり。
手書きの文字をそのまま載せたり。
なんとなく「ほっ」とする。
知っているほどニヤリとする。
コミュニケーションを生み出すツール。


②情報ではなく「声」が聞こえる

焼肉やまと

焼肉やまとさんの紙面。
松阪牛のお店なら、美味しそうな肉の写真で埋めるのが王道なのかもしれない。
しかし、ニュースレターでは載せていない。
お客さまのメッセージ、スタッフインタビュー、代表のマラソン話。
どれも情報ではなく「声」。
声が聞こえれば、人が見えてくる。
心を動かすのは人の声。


③仲間と作る・仲間が増える!

「どう?このチラシ。素敵でしょ?」

ニュースレターはそうじゃない。
作り手の自己満足を読み手に押し付けるものじゃない。

アーノルドフジ・タカムラ

地元のパン屋、アーノルドフジ・タカムラさんの紙面。
パッと目に付くのは定員さんの雰囲気がよく出たイラスト。
描かれたのはイラストレーターの本間さん。 

一人の自己満足ではなくて、仲間と作る。
楽しんで作る。
1+1>2になる。
だからいいものができる。

「いいね!」と思った仲間が増える。
人を介して広がっていく。
ニュースレターは人をつなぐ媒体でもあると思う。 

こうして見ると、
モノづくりと言うよりも場所づくり。
もっと言えばコミュニティづくりだと思う。


④続きが気になる 

次が気になったら勝ち。
自然と手が伸びていく。

「次号はどんなだろう?」

そんなワクワク感。
週刊の漫画雑誌の続きが気になる感覚に似ている。

そう。
続きが気になった時点でファンになっている。
押しつけられるのではなく、進んで読んでいる。 
これが「求められる」ということだ。

* * *
 
人間臭くて、あったかい。
情報を声に変えるニュースレター
歩いて、話してできるもの。
紙媒体ではなく、「人媒体」と表現する方が適切。

私もせっかくなら楽しんでもらえるものを作りたい。
読んでもらえるものを書きたい。

こまこま書いたけれど、結局は「いいなぁ」と(^^)
大事なのは理屈じゃなくて肌感◎

(追記)
なんてったって芝山さんの記事でもユーモアあふれる切り口で
ニュースレターが紹介されていました。