“幼い頃から英語に触れ過ぎると日本語がダメになる。日本語を大切にしよう。”
昔からあるこの主張。
では日本語を大切にするとはどういうことか。
どうすれば「大切にしている」と言えるのか。
2回に分けて書いてみる。
(1)インターネット時代、身近に起きている日本語の変化。
(2)次回は英語教育・ビジネス英語について。
* * *
母語である日本語を大切にする第一歩は、
ことばに起きている変化に対して自分なりの考えを持つこと。
インターネットがあまりに当たり前になった時代。
「日本語の記号化」を日々感じている。
原因は情報とコミュニケーションの量・スピードが劇的に増していることにある。
80年代はポケベル。
90年代には携帯(メール)が普及。
2000年代になるとネットが当たり前に。
2010年代に入るとソーシャルメディアがオープンに流行。
この流れの中で、日常的に「文字を使って誰かとやりとりする」機会が増えた。
量、すなわち回数の増。
とにかくスピード。インスタントなコミュニケーションでは速さが命。
そうして言葉は短縮され、細切れになり、記号化されていく。
いくつかその例を見てみる。
1.絵文字
“思わず顔がほころんだ。”
これを絵文字にすれば-
(´∀`*)
こんな感じだろうか。
私もふだん絵文字を使う。
その方が感情が伝わると「思うから」。
しかし考え方を変えると、
絵文字を使わなければ感情を伝えられなくなっているのかもしれない。
言葉で表せない。だから視覚に頼らざるを得ない。
絵文字ではない。文字絵である。
2.(笑)
よく使う「笑」。
例えばこんな場面。
Aさん:◯◯が▲▲な件。
Bさん:(笑)
よく見かけるし、自身も書いた経験がある。
この場合の(笑)は「なるほど、それは面白い。」 といったところ。
重要視されているのは「受け止めましたよ」という反応であり、言葉の中身ではない。
言葉の記号化によるコミュニケーション。
w
も同様。
言葉による表現の違いではなく、文字数で気持ちの温度を示す。
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
目がチカチカする(笑)…という具合である。
3.“うちわ”言葉
時代遅れな感じもする気がするが、女子高生独特の言葉。
きっと今も残っている。
それに近いものが身近にあふれるようになった。
「なう」
テレビでもラジオでも見かけるようになった。
新しいルールを作る。
意味を知っていれば時間の節約になる。
とりあえず使う。言葉を選ぶ手間が省ける。
“うちわ言葉”による記号化。
インスタントなコミュニケーション。
4.ビジネスシーンにも入り込む記号化
ある経営者の言葉が印象的。
“仕事のメールでも「!」を使っちゃうなぁ。”
別の方は
“仕事で絵文字はあり?”
と仰る。
私の意見ではどちらも「なし」。
が、その職場に合っていて、それで成果が上がっているならば良いと思う。
やりとりする量、回数が増えた。
一方で時間が足りない。
言葉が記号化する。書き言葉と話し言葉の垣根が崩れていく。
* * *
良い悪いではありません。
唯一の正解があるわけでもありません。
言葉は時代に合わせて変化し、最適化されるもの。
不平は世代間ギャップから生まれます。
理解出来ないフラストレーションなのかもしれません。
“女子高生なんぞや”、と。
それでも美しい日本語が好きだし、大切にしたい。残ってほしい。
だから身の回りに起きている変化に対して自分なりの意見を持つ。
ブームに乗っても流されないようにしたい(でも流されているかもしれない)。
次はビジネス英語の必要性、英語教育について考えてみます。
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http://blog.livedoor.jp/ando_shinsaku/archives/3924579.html
昔からあるこの主張。
では日本語を大切にするとはどういうことか。
どうすれば「大切にしている」と言えるのか。
2回に分けて書いてみる。
(1)インターネット時代、身近に起きている日本語の変化。
(2)次回は英語教育・ビジネス英語について。
* * *
母語である日本語を大切にする第一歩は、
ことばに起きている変化に対して自分なりの考えを持つこと。
インターネットがあまりに当たり前になった時代。
「日本語の記号化」を日々感じている。
原因は情報とコミュニケーションの量・スピードが劇的に増していることにある。
80年代はポケベル。
90年代には携帯(メール)が普及。
2000年代になるとネットが当たり前に。
2010年代に入るとソーシャルメディアがオープンに流行。
この流れの中で、日常的に「文字を使って誰かとやりとりする」機会が増えた。
量、すなわち回数の増。
とにかくスピード。インスタントなコミュニケーションでは速さが命。
そうして言葉は短縮され、細切れになり、記号化されていく。
いくつかその例を見てみる。
1.絵文字
“思わず顔がほころんだ。”
これを絵文字にすれば-
(´∀`*)
こんな感じだろうか。
私もふだん絵文字を使う。
その方が感情が伝わると「思うから」。
しかし考え方を変えると、
絵文字を使わなければ感情を伝えられなくなっているのかもしれない。
言葉で表せない。だから視覚に頼らざるを得ない。
絵文字ではない。文字絵である。
2.(笑)
よく使う「笑」。
例えばこんな場面。
Aさん:◯◯が▲▲な件。
Bさん:(笑)
よく見かけるし、自身も書いた経験がある。
この場合の(笑)は「なるほど、それは面白い。」 といったところ。
重要視されているのは「受け止めましたよ」という反応であり、言葉の中身ではない。
言葉の記号化によるコミュニケーション。
w
も同様。
言葉による表現の違いではなく、文字数で気持ちの温度を示す。
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
目がチカチカする(笑)…という具合である。
3.“うちわ”言葉
時代遅れな感じもする気がするが、女子高生独特の言葉。
きっと今も残っている。
それに近いものが身近にあふれるようになった。
「なう」
テレビでもラジオでも見かけるようになった。
新しいルールを作る。
意味を知っていれば時間の節約になる。
とりあえず使う。言葉を選ぶ手間が省ける。
“うちわ言葉”による記号化。
インスタントなコミュニケーション。
4.ビジネスシーンにも入り込む記号化
ある経営者の言葉が印象的。
“仕事のメールでも「!」を使っちゃうなぁ。”
別の方は
“仕事で絵文字はあり?”
と仰る。
私の意見ではどちらも「なし」。
が、その職場に合っていて、それで成果が上がっているならば良いと思う。
やりとりする量、回数が増えた。
一方で時間が足りない。
言葉が記号化する。書き言葉と話し言葉の垣根が崩れていく。
* * *
良い悪いではありません。
唯一の正解があるわけでもありません。
言葉は時代に合わせて変化し、最適化されるもの。
不平は世代間ギャップから生まれます。
理解出来ないフラストレーションなのかもしれません。
“女子高生なんぞや”、と。
それでも美しい日本語が好きだし、大切にしたい。残ってほしい。
だから身の回りに起きている変化に対して自分なりの意見を持つ。
ブームに乗っても流されないようにしたい(でも流されているかもしれない)。
次はビジネス英語の必要性、英語教育について考えてみます。
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