地方自治体におけるソーシャルメディアの活用が言われています。

assembly_top3

何のために?誰が?どうなれば「活用された」と言えるのか?

今回はブレインネットさんのこの記事を読んで考えたことをまとめます。
国や県でも同じことが言えますが、より身近に捉えるために、地方自治体=市と定義します。

地方自治体でのソーシャルメディア役割とは何でしょう?
私は大きく以下の2つだと思います。

1.継続的な情報の発信
2.市民からの意見収集・政策へのフィードバック・チェック

* * *

1.継続的な情報の発信

これは比較的導入が容易です。
アカウント(登録)さえ作れば、あとは既存のWebサイトの「お知らせ」から引っ張ってくれば良い。
多くの自治体が取り組んでいます。 

地域の行事やお知らせを伝えるだけではなく、
天災など緊急時の情報伝達ツールとして重要であることは十分に認識されています。
信頼度が最も高い情報ソースとしての自治体の責任

TwitterやFacebookなどの利用者は1,000万人を超えていると言われます。
たかが数%、されど数%。
情報発信を怠ることは無責任とも言えましょう。

重要なことは今までのマスメディアとの組み合わせ。
ソーシャルメディアにばかり頼るのも危険です。
新聞、テレビ、ラジオ、 地域誌…部数と情報の到達率で言えば、圧倒的な力を持ちます。
それぞれのメディアに役割を持たせて利用すること。
うまくメディアミックスを行い、より効果的に情報を届けること。

* * *

2.市民からの意見収集・政策へのフィードバック・チェック

ソーシャルメディアを利用していかに市民からの意見を地方行政に生かすか。
これからの課題になりそうです。 
利用者が増えるほど、現実とのギャップが大きくなってく。

ポイントは「集めた意見の行く先が見えるシステムづくり」
市民がどんなに意見を言ったところで、「その意見がどう自分たちの住む地域に生かされたのか」 が
目に見えなければなりません。
反応がないのに叫んだところで虚しい。

今もパブリックコメントという制度がありますが、どれだけ政策に反映されているか見えません。
(私の勉強不足もあります)
そもそも予算制。当初の予定にないことは実行が難しいのでしょう。 

逆に言うならば、「おお!私の意見がこんな風に検討されたんだ!」と分かれば
もっと市民は積極的に自治体とコミュニケーションをとりたくなるはずです。
地方行政との市民の距離を縮めるツールとしてもソーシャルメディアは価値あり。

市民の意見を主役として、情報をマネジメントすること。
これが双方向の鍵です。

見落としてはならないのは、集められた多様な情報の整理・フィルタリング。
違法駐輪の苦情から、食の安全、育児施設のニーズなど、ありとあらゆる情報が
個人メディアとしてのソーシャルメディアからは発せられます。

それを適切に仕分け、専門部署へ届けなければなりません。
集まった情報が雑多に積み上げられていくだけでは不十分。
専門の部署・担当が必要になると思います。
情報リテラシーの高い人、幅広い視野を持っている人が適任でしょう。

最終的には市民のアイデアが街づくりに反映されるのがベスト。
それでも反映されないことがほとんどでしょう。
大切なのは間口を開くこと。聴き、受け容れる姿勢です。

* * *

無理にソーシャルメディアを活用しなくてもなんとかなるのが地方行政。
会社のように簡単に競争に負けて潰れることも稀です(破綻はありますが)。

しかし、ますます情報は増えるばかり。
小さい頃からネットに慣れ親しんだ世代が街づくりの中心になっていきます。
その中で、地方自治体がソーシャルメディアを活用することは一つの責任だと考えます。

職員間で「ソーシャルメディアを活用することの意味」を共有できなければ、
一部のパソコン好きな職員の物好きで終わってしまいます。

若い職員さんを中心に内側から変わると同時に、市民も外から投げかけていく。
船橋市でも若手の勉強会を開いているそうです。
堅いテーマも良いですが、 たまにはソーシャルメディア活用を語るのもよいですね。
もっと外の空気をいれる換気を是非。

http://blog.livedoor.jp/ando_shinsaku/archives/3573205.html