ここのところ、「英語を社内公用語に」とよく耳にします。
(導入例は多くないが、露出回数が多い)

実際に導入が決まっているのは楽天、ファーストリテイリング、SHARP(一部)など。
パナソニックは新入社員の8割に外国人を採用。
「TOEIC◯◯点以上」という採用基準を設ける企業も増えてきているようです。

確かにグローバル化の中で海外展開していくに当たり、共通言語としての英語は価値あり。

理解できます。
仕事のみならず、より多くの人とコミュニケーションがとれることは素晴らしい!
異議なしです。

しかし、大きく二つの疑問を持っています。

1.今、本当に英語が必要か?
2.出て行くこと+「受け容れること」をもっと考えるべきでは?

時代遅れ、保守的だ!というご批判を覚悟で述べます。

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1.今、本当に英語が必要か?

私の周りでもTOEICを受験する人が増えました。
学び続けることは大切ですね。

「これから必要になるから」という理由が一般的に多い気がします。
少数派意見だと思いますが-

本当に必要になった時、またはその計画が立った時にやれば良い。
「取り敢えず」やるならば、今必要なスキル修得に時間を割くべき。

これが私のスタンスです。
英語は絶対にやれば身につきます。
個人差はありますが、やるかやらないかの違い。
本気になれば必ず話せるようになります。
「本気度」≒必要性です。

仕事で使う人が優先的に時間を投資するのは納得です。
絶対に海外との接点になる人は必要。
誰がその役割を引き受けるか、分業だと思います。
英語を必要とする人の数はますます増えましょうが、
必要でない人はより自分の専門分野に集中する。

重要なのは「何のために学ぶか」という目的意識と優先順位付け
時間は限られています。

●中・韓との比較

中国や韓国へのライバル心が強まってきたことがあると感じます。
危機感に等しいもの。

両国とも小学校3年生から英語が必修であり、英語学校も増えています。
国を挙げて「みんなで英語を話せるようになるぞー!」と躍起です。

確かに気合の入り方には恐れ入ります。
中・韓でも全ての若者が英語を流暢に話すわけではないと思います。
(平均すれば上でしょうが)
他にもインドネシア人なども英語上手だそうです。

では、日本にしかできないことは?

●なぜ英語なのか?

例えばフランスへ転勤が決まったとします。
真っ先に学ぶのは英語でしょうか?
先の韓国へ旅行する場合は?
中国への出張のときは…。

屁理屈かもしれませんが、なぜ英語が一番なのか答えが出ていません。
日本へ外国の方をお招きするとして、英語がカンペキに使える状態は
義務でしょうか。(もちろんベターではあります)
私たちが海外へ行く時のように、ある程度は「日本では日本語を」と思います。

●学校で

それでも学校教育を変える必要はあります。
実際のところ、教える先生が対応しきれていないと感じます(前職の経験より)。
授業の価値観をひっくち返す。
英語の「成績」で差をつける必要はあるのでしょうか。

とにかく小・中では相手と積極的に意思疎通を図れるようにする。
大切なのは「外国の方と臆することなく話せる状態」にすること
後は人に聞いたり調べたりしても良い。

大学受験はなくならないでしょうから、単語をたくさん覚えるのは高校に入ってから。
詰め込みも必要です。

2.出るよりも受け容れる。

1は国際市場を考えてのお話でした。とにかく世界へ出よう!と。
では日本ではどれだけ受け入れ態勢ができているのでしょうか。
※1の理論と矛盾する点がありますが、サラッとお読みください。

ご自身が外国人になったと想像してみてください。
困りそうなことはありませんか。
安心して遊びに行けますか。

私は日本のレストランのワインメニューにすら戸惑います。
フランスゴムズカシイ。。。
駅の切符売り場、地図。
デパートの案内。
小学校。
市からの案内。
多分、わからないことだらけです。

スキルとしての英語よりも、外国人を受け容れる体制が整っていない気がします。
昔はディズニーランドの中国語放送を過剰だと感じましたが、今は違います。

私は「言語は最適化する」と考えています。
↓外国人にとって日本が住みやすくなる
↓外国人増える
↓外国語で話す機会増
↓自然と外国語の必要性を感じるようになる
↓必要なものから推進される。
上手くいく。

英語を第二母国語に!と言わずとも、必要なものは時間をかけて浸透していく
というノンビリした理屈です。
言語は文化に根ざしたもの
今、(多くの)日本人が英語を話せないと言われるのは、激的な必要に迫られていないからでは。

だからまずは外国の方にとって面倒が少なく、安心して暮らせる環境は何か?を考えねばなりません。
今こそ日本の得意とするおもてなし精神
海外を「市場」とだけ見るのは寂しいです。

自分が海外に行ったときにあると嬉しい・されてありがたいことを考えて行動する。
(ここでも想像力≒共感力が大切ですね。)
街づくり、国づくりをしていく。
長期のビジョンが必要です。

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こんなことを言いつつも、
韓国へ行って居酒屋で現地の人と話したい!
という安易な動機でハングルに取り組んだり…
世の中矛盾が多いです。