恵比寿で飲んだあと、近くのカフェに行った。
東京のカフェは久しぶりだった。
席数は40ほど。
客は20代がほとんどで、
僕らがフロアで一番年上のようだ。
午後10時。
間接照明だけの店内。
雰囲気いいなと、一枚撮ってみた。
土曜の夜のカフェがこんなに混むものなのかと、
ちょっと不思議に感じた。
さすがは東京というところか。
ざっと数えて40席。
フロア担当は一人のようだ。
少し髪の伸びた「アメリ」のような定員さんが、かいがいしくテーブルを回っていた。
そうだ、『アメリ』観よう。
次の土曜日の予定が決まった。
言いたいのは、
東京のカフェって相変わらず格好いいなあということである。
元来「ひとやすみ」の場所なのだろう。
でも、日常的なのに非日常というか、
少し特別な気持ちにさせてくれる場所なのではないかと思う。
カフェのはなし。
* * *
18歳で東京に出た。
まず、何も分からない。
2000年前後。
カフェブームが始まった頃だった。
本屋で雑誌のページをめくり、
「東京にはこんなにオシャレな場所があるんだ」と胸をときめかせた。
『東京のカフェ』みたいな本を買い、
週末ごとに一軒一軒訪ねた。
20歳前後のとき。
今思えば、おかしな景色だと思う。
ハタチそこそこの若者が、カフェでビールを飲みながら本を読んでいるのだから。
なんか似合わない。
想像して、恥ずかしいなあ。
上京したばかりの自分にとって、
カフェは東京のまちそのものだった。
座っているだけで、都会的になった気がした。
好きだったのは表参道の「ニドカフェ」。
花屋の脇の階段を上がり、木の扉を開けて店に入る。
味のあるこげ茶色のテーブル。
窓からは小さく東京タワーも見えた。
その景色ががハタチの自分にとっての、東京の風景だった。
サンドイッチもおいしかった。
しゅっとした女性店員さんの姿が印象的だった。
とても格好よかった。
注文を聞かれながら、どきどきした。
ニドカフェ、今もあるのかな。
あったら、また行きたいな。
...
恵比寿のカフェで、
ウォッカ・ソーダを飲みながら思い出す。
東京のカフェもは
いつまでもおしゃれであってほしい。
憧れの場所だったんだよなあ。
(思い出話おわり)
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東京のカフェは久しぶりだった。
席数は40ほど。
客は20代がほとんどで、
僕らがフロアで一番年上のようだ。
午後10時。
間接照明だけの店内。
雰囲気いいなと、一枚撮ってみた。
土曜の夜のカフェがこんなに混むものなのかと、
ちょっと不思議に感じた。
さすがは東京というところか。
ざっと数えて40席。
フロア担当は一人のようだ。
少し髪の伸びた「アメリ」のような定員さんが、かいがいしくテーブルを回っていた。
そうだ、『アメリ』観よう。
次の土曜日の予定が決まった。
言いたいのは、
東京のカフェって相変わらず格好いいなあということである。
元来「ひとやすみ」の場所なのだろう。
でも、日常的なのに非日常というか、
少し特別な気持ちにさせてくれる場所なのではないかと思う。
カフェのはなし。
* * *
18歳で東京に出た。
まず、何も分からない。
2000年前後。
カフェブームが始まった頃だった。
本屋で雑誌のページをめくり、
「東京にはこんなにオシャレな場所があるんだ」と胸をときめかせた。
『東京のカフェ』みたいな本を買い、
週末ごとに一軒一軒訪ねた。
20歳前後のとき。
今思えば、おかしな景色だと思う。
ハタチそこそこの若者が、カフェでビールを飲みながら本を読んでいるのだから。
なんか似合わない。
想像して、恥ずかしいなあ。
上京したばかりの自分にとって、
カフェは東京のまちそのものだった。
座っているだけで、都会的になった気がした。
好きだったのは表参道の「ニドカフェ」。
花屋の脇の階段を上がり、木の扉を開けて店に入る。
味のあるこげ茶色のテーブル。
窓からは小さく東京タワーも見えた。
その景色ががハタチの自分にとっての、東京の風景だった。
サンドイッチもおいしかった。
しゅっとした女性店員さんの姿が印象的だった。
とても格好よかった。
注文を聞かれながら、どきどきした。
ニドカフェ、今もあるのかな。
あったら、また行きたいな。
...
恵比寿のカフェで、
ウォッカ・ソーダを飲みながら思い出す。
東京のカフェもは
いつまでもおしゃれであってほしい。
憧れの場所だったんだよなあ。
(思い出話おわり)
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