たまに土鍋でご飯を炊く。春はタケノコ、夏はトウモロコシ、秋は栗、冬はイクラ(筋子)と。旬のものと、じっくり炊いたご飯は最高にうまい。

手間が掛かるから頻繁には作らないけれど、たまに土鍋で炊くと「ああ、やっぱりおいしいな」と思う。白米も土鍋でやると一味違う(気がする)。

今回はとうもろこしご飯。コーンは茹でても焼いてもイケるが、ご飯と炊いてもまた良い。少し面倒だけれど、そのぶん食べたときがうれしい。

この日のトウモロコシは大当たりだった。上の妹が働く房総の道の駅で買ったもので、見るからに粒が揃い、ぷっくりしている。また食べたい。


土鍋ごはんのおいしさの理由は「面倒」と「喜び」にある


土鍋ごはんをおいしく感じる理由を考えてみた。それは「面倒」と「喜び」にあるのではないだろうか。

土鍋で炊くのは、ちょっと手間。炊飯器と違って火加減を見なくてはいけないし、だいたい鍋が焦げるからコゲ落としもしないといけない。

面倒だからこそ、丁寧に作ろうと思う。きちんと米を吸水させてザルで水を切るし、一番出しも取る。「せっかくなら」と手間を掛ける。

素材も同じだ。タケノコはアク抜き。トウモロコシなら一粒一粒もぐ。栗は皮を剥かなければならず、イクラ(筋子)はぬるま湯でほぐす必要がある。

どれもいちいち面倒くさい。しかし、完成を想像しながらやるとさほど苦ではなく、むしろ手間を楽しめたりもする(個人の感想)。

その手間暇がおいしさになるのだろう、と僕は考える。

もう一つの「喜び」というのは、食卓で蓋を開け、よそい、食べる喜びだ。

炊飯器と違い、土鍋は食卓へ持っていってみんなで食べる(うちの場合)。蓋を取るまでのドキドキ感、もわっと上がる湯気と匂い、よそうのを待つ時間。

これらの過程が待ち遠しく、おいしさを引き立てる喜びだと思う。みんなで食べればなおいしい。とにかく、土鍋ごはんはうまいのだ。


とうもろこしご飯がメチャうま


というわけど、この日はトウモロコシの土鍋ごはん。ダシをとっている間に、まずは一粒ずつもぐ。僕は手先が不器用なので、ここだけはお願いした。

30分お米を給水させて、ザルに上げて乾かす。これも大事なプロセスなので、おっくうがらずにしっかりやりたいところ。

後は火加減に注意しながら、トウモロコシ、だし汁、薄口しょうゆ、バター(少量)を加えて炊く。米2合に対してモロコシ2本と具が多めだが、これぐらいが贅沢!

土鍋のとうもろこしご飯_1

ばっちりできた。おかずは味噌汁、蒸し茄子とゆで豚の薬味ポン酢がけ、枝豆、それと前日の残りの牛肉のトマト煮。

土鍋のとうもろこしご飯_2

よそって食べるまでのワクワク感! 

味も最高。とにかくトウモロコシが良かった。良いトウモロコシが手に入った場合は、ぜひ土鍋で炊いてみてください。ちょっと面倒だけど、手間を掛ける価値がありますよ〜。

家でじっくり作り、ゆっくり楽しむ旬の味。
ぜいたくだなあといつも思う。