3月末のこと。
Nintendo Switchを妹と買いに行ったとき、
転売屋と思われる人に遭遇した。
(あくまで、そうかな? と思う程度)

個人的には興味深い体験だったので
記録に残しておくことにする。

物が品薄になる時期もある。
そういうときこそ、
人に譲る心の余裕が必要だと思う。
物も気持ちも仕事も、ちょっとずつ分け合う。

でも、転売はダメだ。
火事場泥棒と一緒。
困っている人の足元に付け込もうとすれば
必ず自分の身に返ってくる。
昔の人はそれを、罰当たりと言った。


兄としての責務


子どもは勿論、大人も家に居る機会が増えた。
妹がNintendo Switchを欲しいと言う。
現在品薄、ネットで価格が高騰しているらしい。
なかなか買えないとのこと。

1人でも、テレビに繋いでもプレイ可能。
1台あれば、友達とも家族とも楽しめる。
ゲームボーイ2台を有線接続・対戦していた自分世代にとって、Switchは夢のゲーム機と言える。

僕は、暇があれば散歩をする。
今は藤の花やモッコウバラがきれい。
チューリップも良い。
美しいものを見るのは、気晴らしになる。

気晴らしの仕方は人それぞれで、
彼女にとってはSwitchがその一つに当たる。

買えずに困っているならば、
兄として探し出さなければいけない。
Switch。

3月頭くらいにリサイクルショップで見かけたので
一緒に行ってみることにした。


やっぱり無いじゃん…


ひとまず、先日見かけたリサイクルショップへ。
30分弱、歩いて向かう。

「やっぱり無いじゃん…」
お店に着いて、妹が言う。
(二人でしばし落ち込む)

おかしいな。
この前まであったのに。

このままでは武士の名折れ。
思いつく地元情報のすべてを総動員し
Switchを探し出さなければならない。

人の目の向かない場所は…?
ゲームショップも電器屋も真っ先に人が行く。
そうだ、あそこに行ってみよう。


AEONへ、そして転売屋(?)との死闘


向かったのはイオンのおもちゃ売り場。
ここならありそうだなと。

Switch本体は軒並み売り切れ。
しかし、一つだけ売切の札がないものがあった。

Nintendo Switch あつまれ どうぶつの森セット

妹はこのゲームがやりたいと言っていた。
無人島で動物と暮らす内容らしい。
ほのぼのしていて楽しそうだなと思った。
クリームソーダ色のコントローラーも可愛い。

本当に在庫があるかどうか不確かなので
店員さんに尋ねてみた。

「残り1つですが、ありますよ」

……
神か〜!!
優しい返答にホッとする我々。


その時のこと―


「え! あるんですか? 俺も欲しいんですけど!」

20代半ばの男性が
「ずる込み」をしてきた。

ずる込みとは千葉の言葉で割り込みのこと。
ルール違反に対する批判を言葉に加えた
相手をMAXでたしなめる時の表現だ。

「すいません、先に訊いたので…」

と控えめに彼に伝えると
しょうがないな、
という感じでソフト売り場へ去っていった。

嬉しそうな妹。
来てよかった…
と思いながらレジへ。

するとまた先の若者が
「それ、買えませんか!?」
と二度目のずる込み。
こちらのレジに割り込んでくる。

「ごめんなさい、どうしても子どもが欲しいと言っているので」

と半ば呆れながら僕が言う。
ちなみに子どもはいない。
嘘をついてごめんね。
でも、順番だから。

彼は仕方ないからか、ソフトを1つ買っていた。
ソフトは買うんだ? と不思議に思った。

購入したSwitchをリュックにしまいながら
妹はホクホク顔。
うんうんと、僕も満足した。

しつこく「来てよかったね!」と言うと
流石に若干ウザがられた。


あれは何だったのか?


「お兄ちゃん、あの人は転売屋かもよ」

と、帰り道に妹。
なんでそう思うの? と聞いてみる。

「本体無いのにソフトだけ買うわけないじゃん」

あー、そうか〜。
それにあの強引さ。
言われてみればそうかもなあ。

冷静な判断である。
僕はと言えば、見つかった喜びのあまり
そんなことは思いつかなかった。
(変な人だなとは感じた)

確かにカメラのボディ(本体)を持っていないのに
レンズだけ先に買う人はほとんどいない。
普通はセットで買うか、レンズを後で買い足す。

彼が本当に転売屋かは定かではないが
ズルはいけない。
もちろんズル込みはもってのほか。

今の相場で言えば、
Switchを転売するだけで2〜4万円の利益が上がる。

お金を稼ぐというのは、
そんなに簡単なことではない。
1万円をいただくのも大変なこと。

ましてや人の困っている気持ちに取り入って
利を得ようとするならば言語道断だ。
本当に、そういう人がいなくなることを望みます。

こういう時期だからこそ
人に物が足りなければ
自分の物を少し分けてあげる。

仕事が減ったなら
一緒に何かできないか考えてみる。
ともに新しい道を模索する。

そういう心の余裕、優しさが大事だと思う。


ゆずり合うこと


物が品薄になる理由は、大きく3つ。
①生産が減る
②流通が滞る
③需要(買う人・量)が(急激に)増える

みんなが必要な量だけ必要な時に買っていたら
「無くて困る」人は、少し減る気がする。
ただ、不安になる気持ちも十分に分かる。


こう言っておきながら、
今回のSwitchの件では譲らなかったわけで…
んー、彼も本当に欲しかっただけなのかもな…
ちょっと矛盾を感じながら、書き終える。
(でもやっぱり、ルールってあると思う)

ニンテンドースイッチ
(ボクもやりたいな…)


【注意】
*転売屋だと断言している訳ではありません
*あくまで個人的な感想です