土筆(つくし)が顔を出し始める季節。
今年もツクシ採りに出かけた。
昨年の経験をもとに、近所で生えていそうな場所をピックアップ。
佃煮ができるぐらい摘みたいと思った。
まずは長津川の調整池へ向かう。
道すがら色々な春の花に出会う。
花韮(ハナニラ)。
一見雑草っぽいが、白と青の色合いがとても上品。
六角形のカタチも面白い。
長津川調整池。
一周してみたがツクシは見つからず。
湿った場所にツクシは生えない。
「乾燥していて・あまり雑草がモサモサしていない所」というのがツクシ探しのポイントらしい。
家に戻りながらそんな場所を探す。
お。
やっと一本目を発見。
ぱらぱら、という感じ。
こちらはツクシの子。
子どもは採らずにそっとしておく。
こんな場所に結構生えている。
マンションの脇だったり、花壇だったり、駐車場の横だったり。
意外なところで見つかったりする。
ひとまず採取は終了。
ちょっと食べるには少ないかな…。
両手ですくえる程度の量。
ま、仕方ないか。
と思っていたら。
家のすぐそばでたくさんツクシが生えている場所を発見。
あまり人が入らなさそうな場所。
ここにも、あそこにも、むこうにも。
ツクシの楽園。
今までの苦労はなんだったと思うほどの生えっぷり。
無心でツクシを採った。
なるべく太いものを選ぶ。
気づいたときにはビニール袋がそこそこ膨らんでいた。
後が大変なので、いいところで切り上げる。
てんとう虫がいた。
* * *
家に帰ってツクシを出してみる。
結構な量。
測ってみると約100g。
二人家族で食べるくらいにはなりそうだ。
さあ、下ごしらえ。
子どもの時、ツクシを採ってきても母が喜ばなかったその理由。
食べる前には「ハカマ取り」が待っている。
ツクシの外側のギザギザした部分(ハカマ)を手で取り除く作業。
これをやらないと食べられない。
一本一本、一つ一つ、地味に。
予想以上に時間が掛かる。
ルーティン・ワークは嫌いではないが、これは骨が折れる。
苦労の分だけ旨くなる…そう考えることにした。
一人静かに一時間半。
ハカマ取り終了。
あとは水に一日浸しておく。
* * *
翌日の夜九時。
佃煮づくりを開始。
浸しておいた水を切り、鍋に。
醤油、砂糖、みりん、酒を加えて煮詰める。
味を見ながら、ピリ辛も美味しそうだと鷹の爪も少し。
落としぶたをして、弱火で20分。
水気がだいたい無くなったら完成。
さらに一晩寝かせて、味をしみこませる。
…
そして翌朝。
ツクシを採ってから二日でやっと食べられる。
この瞬間を楽しみにしていた。
つくしの佃煮ご飯。
甘辛くて、ご飯がすすむ。
手間ひまかけた分、美味しい。
お酒のツマミにもなる。
ツクシはフキに近い味。
一晩水に浸したからか、苦味は無かった。
素朴な味。昔ながらの食文化。
少しだけど体験できた気がする。
ごちそうさまでした。
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