土筆(つくし)が顔を出し始める季節。
今年もツクシ採りに出かけた。 

昨年の経験をもとに、近所で生えていそうな場所をピックアップ。
佃煮ができるぐらい摘みたいと思った。

まずは長津川の調整池へ向かう。
道すがら色々な春の花に出会う。

花韮

花韮(ハナニラ)。
一見雑草っぽいが、白と青の色合いがとても上品。
六角形のカタチも面白い。

長津川調整池の湿地

長津川調整池。
一周してみたがツクシは見つからず。

湿った場所にツクシは生えない。
「乾燥していて・あまり雑草がモサモサしていない所」というのがツクシ探しのポイントらしい。
家に戻りながらそんな場所を探す。

お。
やっと一本目を発見。

ツクシ2014
 
ぱらぱら、という感じ。

つくしの子

こちらはツクシの子。
子どもは採らずにそっとしておく。

こういう場所がいい。

こんな場所に結構生えている。
マンションの脇だったり、花壇だったり、駐車場の横だったり。
意外なところで見つかったりする。

ひとまず採取は終了。
ちょっと食べるには少ないかな…。
両手ですくえる程度の量。
ま、仕方ないか。

と思っていたら。
家のすぐそばでたくさんツクシが生えている場所を発見。
あまり人が入らなさそうな場所。

ここにも、あそこにも、むこうにも。
ツクシの楽園。
今までの苦労はなんだったと思うほどの生えっぷり。

無心でツクシを採った。
なるべく太いものを選ぶ。
気づいたときにはビニール袋がそこそこ膨らんでいた。
後が大変なので、いいところで切り上げる。

てんとう虫

てんとう虫がいた。

* * * 

家に帰ってツクシを出してみる。

採れたツクシ(100g)

結構な量。
測ってみると約100g。
二人家族で食べるくらいにはなりそうだ。

さあ、下ごしらえ。
子どもの時、ツクシを採ってきても母が喜ばなかったその理由。
食べる前には「ハカマ取り」が待っている。 

ツクシの外側のギザギザした部分(ハカマ)を手で取り除く作業。
これをやらないと食べられない。

一本一本、一つ一つ、地味に。
予想以上に時間が掛かる。
ルーティン・ワークは嫌いではないが、これは骨が折れる。
苦労の分だけ旨くなる…そう考えることにした。

採れたツクシ(after)

一人静かに一時間半。
ハカマ取り終了。
あとは水に一日浸しておく。

* * *
 
翌日の夜九時。
佃煮づくりを開始。

浸しておいた水を切り、鍋に。
醤油、砂糖、みりん、酒を加えて煮詰める。
味を見ながら、ピリ辛も美味しそうだと鷹の爪も少し。

鍋で煮詰める

落としぶたをして、弱火で20分。
水気がだいたい無くなったら完成。
さらに一晩寝かせて、味をしみこませる。 



そして翌朝。
ツクシを採ってから二日でやっと食べられる。
この瞬間を楽しみにしていた。

つくしご飯

つくしの佃煮ご飯。
甘辛くて、ご飯がすすむ。 
手間ひまかけた分、美味しい。
お酒のツマミにもなる。

ツクシはフキに近い味。
一晩水に浸したからか、苦味は無かった。 

素朴な味。昔ながらの食文化。
少しだけど体験できた気がする。 

ごちそうさまでした。