思うところがあって、書く。

母の話。

母1

いっしょに保険代理店を営む母。
約30年間、この仕事をしてきた。 

僕が家業に戻ったのは4年前。

「息子さんがいっしょだと、お母さんも安心でしょう。」

お客さまもそう言ってくださる。
しかし現実はまだまだ社長(母)に頼るところが多く、
安心して見ていられないのが実際のところだと思う。

早く代替わりできるようにしないと。 
まだまだ若いが、いつ倒れるかだって分からない。

* * *

色々なことがあった。
十代の頃の自分には受け入れ難いこともあった。

幸せのカタチはそれぞれ。
不幸せと思えば不幸せだし、幸せだと思えば幸せ。
自分は今でも幸せだと思う。


家に戻ってきたのは26歳のときだった。
共に仕事をするようになった。

母は文字通り身を粉にして働き、
兄弟四人とも大学を卒業させてくれた。
その有り難みが分かったときは二十も半ばを過ぎていた。
もっと早く気づいていればと悔やむ。


保険の仕事に完全オフは無い。
母も土日だって出かけていく。
ここ十数年で一番長い休みは、弟の結婚式参列のためのグアム旅行だった。

(あまり苦労人風に書きたくはないのだが)


仕事を終え、レモンの缶チューハイを飲みながら
犬の虎太朗とのんびりするのが母の毎日の愉しみ。

虎太朗

老後は薪ストーブを家に付け、犬とゆるゆる暮らすのが夢だそう。


このところ、シワも白髪もだいぶ増えた。


自分の家族を守らなければいけないが、
そんな母のささなかな夢も守りたい。


もうすぐ60歳。
個人企業に定年は無いが、そこそこいい歳。

もっと自分に仕事をシフトし、
月並みだけれど楽をさせてあげたいと願う。
 

こんなことを言えば

「リフォームのローンもあるんだし、70歳までは仕事するよ!」

と返ってくる。

ホント、頭が上がらない。

* * *
 
贅沢はせず。
一人でがんばってきた母。

母2

親孝行。

口で言うのは簡単だけど、なかなかできないもんだ。