もうすぐ離れる生まれ故郷。
芝山のまち。

18歳。東京へ出たときは何も感じなかった。
今は何故だか昔が懐かしい。

原っぱ

段ボールすべりだいではしゃいだ原っぱ。

お稲荷さん

何の変哲もないお稲荷さん。
タヌキを見たことがある。

栄光幼稚園

数十年ぶりに建て替えられた幼稚園。
園長先生、いま会っても当時と変わらない。

芝山台

小学校の「芝山台」。
改めて眺めると、ずいぶん小さく感じた。

900コース

中学時代、夢中で走った道。
先輩たちは速かった。

アーノルドフジ・タカムラ

生まれたときからあるパン屋さん。
看板にある電話番号は古いまま。

歩道橋

冬の夕陽が美しく見える歩道橋。



変わるもの。
変わらないもの。
変わってほしくないもの。


記憶がモノクロの世界を流れていく。


やっぱりいいところだ。


どこが「いい」のかと訊かれると答えに詰まる。
いいと感じたものはいい。

* * *

これからも芝山には仕事で通う。

しかし。

「住む」と「通う」では、まちの見え方も感じ方も違う。

それが少し寂しくもある。
でも、離れたからこそ見えるものもある。

新しいまちにもいいところがきっといっぱいある。
たくさん歩こう。


芝山。

いつまでも、ほっとする場所であってほしい。