朝、走っているときにすれ違ったおばあちゃんが手にしていたもの。

つくし。

どこで採ったのか、気になった。

もうずっと見ていない。
僕もつくしを探しに出かけることにした。 
採って佃煮にしよう。

小学生のとき「野外観察クラブ」があった。
近所の野草や虫、鳥を見つけながら歩くクラブ。

20年たってもやること変わらないな…

そう思いながら白いスニーカーに足を入れる。

* * *

3月も半ばを過ぎればさすがに暖かい。
Tシャツに革ジャンを羽織ってちょうどいい。

さて、つくし。
どこを攻めればお目にかかれるだろう。
おぼろげな記憶をたどり、まずは田んぼの畦(あぜ)道を目指す。

そこここに春がやって来ている。
花を落とすまいと堪える梅、行儀よく咲き並ぶ水仙。

たんぽぽ

たんぽぽの花の中では、蟻がせわしなく動き回っていた。

田んぼの畦道

あぜ道に着いた。
枯れ草ばかり。
つくしは見つかりそうにない。

海老川に向かうことにした。
困ったときの川だのみ。

* * *

木蓮

木蓮が咲き出していた。
梅や桜の季節の合間にあって、主張し過ぎない感じが好き。

海老川の彼岸桜
 
満開の彼岸桜。
ちょっと濃い目の色合いがまた良い。

海老川にはおおまかに3種類の桜がある。
秋に咲くもの、3月の早いうちに花開く彼岸桜、ソメイヨシノ。
 
海老川の桜の蕾3月16日

ソメイヨシノのつぼみも膨らみ始めていた。
今年は満開になるのが早そう。
海老川が一年で一番にぎわうシーズンがやって来る。

土手に降りてみた。

海老川の菜の花畑

菜の花畑を見つけた。
独特のもったりした香りが一面に漂う。

亀の甲羅干し

その脇では亀が甲羅を干していた。
目を細め、気持ちよさそうだった。

どっこい、つくしは見つからない。
春をたくさん見つけたし、諦めて帰ることにした。

* * * 

帰り道。

つくし発見!

思わぬところでつくしに出会えた。
そこはなんの変哲もない空き地だった。
よく見れば一面に頭を出している。

双子のツクシ

ちんまり並んだ双子のつくし。
可愛らしい。

目を寄せる。
周りには緑の小さな赤ちゃんつくしがたくさん。
そう思うと上の写真は夫婦と子どもたちのようでもある。

なんとなく摘むのは気が引けた。

セブン-イレブンの前

ありゃ。
近くのセブンイレブンの前にも。。。


探そうとするほど見つからないのに、ひょっこり出てくるものがある。
視点を変えて初めて見えるものがある。
意識しているからこそ、気づける。


つくしを追いかけながら考えた。



つくし採りにきたはずが
つくし撮りで終わった。 

それでも満足。

ぼーっと歩いたのは久しぶりだった。