時代の流れに乗り、船橋にも大きなショッピングモールができた。
イオン船橋店
地元ではちょっとした話題になっている。 

イオンができたことで
船橋駅周辺のマーケットや人の動きがどう変わってきているのか。
また昔ながらの商店はどうなっていくのか。
自分なりに考えてみました。

* * *

1.船橋駅周辺のマーケットの変化

●東武・西武 → 話題づくりと顧客層の拡大

富裕層、中高年がメインの顧客層だった百貨店。
駅チカで無理なく歩ける広さ、老舗の安心感という強み。
最近は「話題づくり」と「顧客層の拡大」を強く意識しているように感じる。
買いに来るだけではなく「行きたくなる」場所。

百貨店の催しといえば高価な芸術品の展示やグルメ関係が多かった。
しかしこのところ少し違う。
東武であれば地元アーティスト集団R14さんとのコラボによるライブやアート展示。
西武には20年ぶりにビアガーデンが再オープン(いきたい)。
昨年は初となる東武&西武コラボ企画も。

まず話題を作る。
足を運んでもらう。
ファミリーに、若い人に。
“買う”とはまた異なる価値。

そう-
デパートは昔から“いつもとちょっと違う”を味わえる場所。

●イオン → 揃う・安い+α

大型店のメリットとして、一店舗でなんでも揃うのは大きい。
しかも流通大手。安い。

イオン船橋はシニア対応強化店の第一号だそう。
団塊の世代以上の層へのアピールがカギ。
ショッピングモール内に総合病院や金融相談窓口、「健康」を謳ったブースを設ける。

若干、違和感もある。
病院などは2013年に近くにオープンするプラウド船橋の住民が
主な顧客になることを狙っているのではないか。
(イオンは三菱商事と資本提携、プラウド船橋[みらASTO]も三菱商事が事業主。)
また、小量販売は高齢者だけではなく単身世帯、少子世帯にも言える。
気になるのは高齢者に無理のない売り場の広さかどうか。

ショッピングモールでカギになりそうな2つの要素。
「地域色」と「イベント性」。

大型店はどこも同じようでいて、実は色が違うのではないか。
全国で地元感を打ち出す店舗が増えているように感じる。
(例えば「三井アウトレットパーク マリンピア神戸」はディズニーシーを彷彿とさせる)

イベントは「催し物」ではなく「参加するもの」が増えている。
グルメツアーではなく食育体験。
フラダンスの発表による地域住民の表現。 
「ハコ」が活きるイベント。そこにも地域色を絡められる。

●昔ながらの商店

駅の近くには昔ながらのお店がたくさん残る。
祖母に連れて行ってもらった喫茶店、祖父が好きだった蕎麦屋、
ミシン店、呉服屋、金物屋、熱帯魚屋、肉屋、お茶屋、居酒屋…

古くは戦争、スーパーの出現、オイルショック、バブル崩壊、チェーン店の進出、デフレ。
いくつもの波を乗り越えてきたお店。
どちらかと言えば、新しい店・チェーンの方が入れ替わりが激しいように思う。

なぜ多くの老舗が生きているか。

1.人件費が安い(社員は自分と家族だけの店が多い)
2.固定費が安い(持ち家ならば家賃かからない)
3.別に収入がある(不動産/年金)
4.固定客がいる

注目したいのは4。
固定客、つまり常連がいること。
大型店でレジに立つのはアルバイト。訪れる時間で相手が変わる。
商店の場合、いつ行っても立っている人は変わらない。
安心感。お金では買えないもの。
話すことで生まれるのはモノではない。

※ヨーカドーは大きなスーパーとして捉えました。

* * *
 
2.対立構造に対する疑問 

ショッピングモールなど大型店ができる度に言われてきた(であろう)ことがある。
“まちの商店街がつぶれてしまう”。

追うものは強者、追われるものは弱者-の構図。

「シャッター通り」と呼ばれるように、寂れてしまった商店街も確かに少なくない。
事実、私の近所の商店街も広さは20年前の半分になり、残り半分は住宅になった。

今は2012年。
「大型店VS小さな店」と単純には言い切れなくなっていると思う。
スーパーが出てきた頃とは違う。
2000年代のショッピングモール乱立期とも異なる。
先に見たように、ショッピングモールにはショッピングモールの、
百貨店には百貨店の役割がある。

ネットや宅配、他にも競合は多い。少なくとも「どちらか」ではない。

皆、モノの売上だけ見れば喰い合いになることは分かっている。
だからこそ、体験・表現・物語・安心・参加-目に見えない付加価値をつけようと努力を重ねる。
そこから“違い”が生まれる。

従って単純に「あっちが出ればこっちが潰れる」と簡単には言えない。
何が残るかは分からない。どう変わるかも。
競争ではあるが、できれば共存してほしい(甘いか)。

* * *

3.小さいお店は弱者意識ではならない~前向きな工夫



今までの対立構造だと、どうしても小さなお店は自分が弱者だと感じてしまう。

ショッピングモールVS商店街
チェーン店VS街の居酒屋
電子書籍・アマゾンVSリアル書店

“どちらか”ではない。 価値が違う。
人が消費できる量には限界がある。全国的には人も減っている。
モノだけではない新しい価値を工夫によって生み出さなければならない。

やはり大型店や大企業は工夫している。
ものすごく努力している。
私たち小さな会社、お店も今までの良さを生かしながら新しいことに取り組む必要がある。

地元消費が見直され、人の顔が見える小さなお店に再び注目が集まっている。 

この流れは小さなお店にとってチャンスだと思う。 
前向きに捉えたい。
では何ができるか。
何が求められているか。
私もトライ&エラー中です。

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すぐ近所にもマミーマートが5月中にできます。
一方で、商店街と卸売市場が一緒になって新しい取組みをしています。

弊社のような小さな保険代理店も決して他人ごとではありません。
ネット、外資、銀行、様々な販売チャンネルの出現。保険会社の合併。
ますます競争は激しくなるばかりです。

スケールは価格や手軽さだけではありません。

まちの商店に大手に学びながら、
小さいからこそできること、顔の見える商いをしていきます。

にぎやか、でもほっとできるまちに。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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