どうやって復興のための資金を確保するかではなく、


なぜ人は増税に抵抗を感じるのか?


これを考えたいと思います。
あくまで一地域住民としての意見です。

決して「税金増やすべし!」という論ではありません。


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●復興に必要とされる資金

復興のために必要な資金は20兆とも30兆とも言われます。
未来のことも含むので正確には示せませんが、ここでは30兆円とします。
定番のGDP比で表せば6%強です。

さて「このお金をどこから集めるか」が議論になっています。
増税か、国債発行か。
いろいろなご意見があります。


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・必要な分は増税しても仕方ないでしょう。
・まずムダを見直すべきだ!
・ほとんど国内でまかなえてるんだから国債を発行しても大丈夫では?
・いやいや、国債を発行しすぎて値段が下がれば金利が上がる。払う利息も増えるよ!
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今日のテーマはその増税か国債かの是非ではなく、
なぜ人は増税に抵抗を示すか?です。

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●人が増税に抵抗を感じる3つの理由

世論調査が100%確実なわけではありませんが、
概ね「復興に必要なものであれば増税も仕方がない」という意見が多数派だそうです。

義援金・募金がこれほどまで自発的に行われたのはなぜか?
人は目的がはっきりしていれば進んでお金を支払うからではないでしょうか。
寄付も税金も同じお金。
使い途が一緒ならば、税金として集められても抵抗は(ほとんど)ないはずです。

それでもスンナリ増税を受け入れられないのには、ワケがあるのでは?

と感じざるをえません。


【理由①】ほかにムダがあるのに増税は納得できない

これは全く同意見です。
ただ、ムダを無くせ!というのは簡単。
しかしそれが本当にムダなのかどうかの検証はすごく難しいと思います。

それでもいちいち細かく分析していてはもの凄い時間がかかります。
思い切りも大切。
今、最優先でお金を使うことは何か。
「今までこれだけ投資してきたんだから…(機会費用)」ではなく、
「ゼロから考えたときに、今でもその事業を始めるか?」を問う必要がありそうです。

パフォーマンスではなく、心からの理解を得られるかどうか。


【理由②】◯年後にどう復興するのかの具体的な地域計画が必要

復興と言ったところで、
具体的に何を・どれだけ・いつまでに作るのか、どんな街にしていくのか-
明確な長期計画がなければならないと思います。
何に使うか分からないまま増税では完全には納得できません。

その計画は国だけのものであってはなりません。
地域ごとに事情は異なります。
国は力を貸すスタンス。
あくまで地域主導とする。自ら動くことで、内側から強くなる未来が見える


【理由③】集められたお金がどう使われたかが分からない

ますます政府に説明責任が求められていくと思います。
臨時や特別に集めたものに関してはなおさらです。
どう使われたのを開示する。
フィードバックの過程と結果が見える形にする。次の年に反映させる。
手間はかかりますが、惜しんではならないことではないでしょうか。

そうすることで、納得が促されます。


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●復興資金を消費税で賄うときの例

これはどうだろう?という一例です。

消費税を1%上げると、税収は約2.5兆円増えます。
仮に5%とすると12.5兆円。
復興に必要な費用は「何年かけてでも全部で30兆円」必要なのであって、
1年間で集める必要はありません。

そこで!
復興税として2012年から(★)年度ごとに5→4→3→2→1%と消費税に上乗せする。
5年間の合計で15%=37兆円になります。

食料品やエネルギー、新聞などの生活必需品は増税しないとしても、30兆円は確保できます。

初年度の消費税は10%。
この10%は減らさずにずっと維持する。
そして上記(★)のように復興税として充てる割合が年々減少していく分は、社会福祉に充てる

つまり2017年には消費税10%のうち、5%が高齢者対策や保育施設の充実に使われるようになります。
賛否両論ありましょうが、高齢者と保育は明らかにお金が足りていない分野です。
ますますお金は必要になっていきます。

・高齢者増える&寿命伸びる
・都市部の待機児童、女性の労働促進への対策

大切なのは-
国民が納得できる計画を示し、実行していくこと。
無駄だと思われてしまうものをなくしていくこと。
お金を配ることで満足しないこと。
住みやすい街になると実感できること
安心
自治体ごとに状況は違う。地域に計画と資金運用の主導権を持たせること。

どんな形で増税するにせよ、目的と具体的な計画をハッキリさせ、
国民と共有できる状態を作る必要がありますね。
ボンヤリでは安心できません。


言うだけなら誰でもできます。
行うのが難しい。
地元がちょっとでも変わるように、身近な小さなところから声をあげていきます。

お付き合い頂き、ありがとうございます。