宮城在住の友人が、16日(水)に避難所から無事に帰宅しました。
高校から親しく付き合う仲間。必ず毎年会います。
今は本当に本当にホッとしています…
地震発生から実に6日目のことです。

「TVでは伝えきれない市民目線の写真・足りないもの・良かったことを
まとめて発信してほしい」
とご依頼を頂きました。

まだ大変な生活は続いています。みんなが踏ん張りどころです!
ご家族とお会い出来ていない方も多くいらっしゃいます。
決して失礼のないよう注意しながら、発生から帰宅までの六日間を綴ります。

※表現には最新の注意を払っておりますが、ご不快な点、不適切な箇所は
ご指摘ください。即刻修正致します。

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某企業の多賀城事業所に勤める友人。
地図で確認したところ、海岸から1㎞強の距離です。

3月11日。
激震。そして津波。
オフィスはあっという間に冠水(水に囲まれた状態)したそうです。

早朝3時。
「電池残り5%…これが最後のメールです…」の文言と共に、
車内から見た駐車場の写真。車が水に浮いています。
(以後、携帯の写メールのため、画質低下をご容赦ください)

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祈り続けました。
一刻も早く外に出られるように。
そして彼と全ての仲間のご無事を。

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13日夕方。
PCの受信トレイが私を呼びます。
「ドロドロだけど元気です~。今から会社出まーす。」
彼らしい明るい文章に、心底ホッとしました。

油断は禁物!
水も残る。
疲労困憊の体を奮い立たせ、地域の体育館へ。

着いた当初は電気もなく。
同僚と一刻も早い街の復旧、そして手元の携帯電話は希望の光。

避難所で最も大変なのは「情報が手に入らない」ことだそうです。
噂が噂を生む。
不安が不安を呼ぶ。
デマが流れる。

「放射能の雨が降るの?」と聞かれ、「絶対無い。大丈夫」と返しました。
恐らくこれは、千葉から広まった誤情報。
私たち一人ひとりの発言に課された責任の重さを感じます。
何気ない一言、善意によることばであっても被災地の方々へ大きな影響を与え兼ねない。
誰もが容易に情報を発信できるようになり、その伝達スピードが劇的に上がった今、
決して大げさでも他人事でもありません。

体育館の不安な空気を取り払ったのが電気の復旧。
これで電池の残量を(それほど)気にすることなく携帯が使える!

よし!!

今や携帯電話は通信手段のみならず、命を守り心を支えるツールです。
震災時、全ての携帯電話会社の通話・メール共にパンクしました。
しかし、TwitterやFacebookといったソーシャルメディアは毅然と機能していました。
正しい情報を外から伝え、励まし、困っている人を見つけ、家族の無事を取り合う手段に。
私も母と下の妹のアカウントを即日作りました。

途中、友人の同僚の家族探しに立ち会う機会がありました。
GoogleのPerson Finderのチカラ、本当にすごいです。
(携帯からもOKの短縮URL http://goo.gl/sagas)
本当に心揺さぶられました。
検索&登録しても5分程度。誰にでもできることだと思います。

そしてそんなドラマも経た避難所四日目。
ついに帰宅許可が出て、彼は帰路に着きます。

しかし、決して気は抜けません。
揺れと津波で街は大きなダメージを受けています。
電気が通っていない場所も多く残ります。

以下、避難所から家へ向かう1㎞の写真レポです。
哀しい現実ですが、目を背けてはならないと思います。
主観を排すため、キャプションは入れません。

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今、彼は恋人の実家にいるそうです。
一先ず二人はお互いの顔を確かめ合い、胸を撫で下ろしたことでしょう。
しかし、お父様がお勤め先の中学校から戻られておらず(ご無事で避難中)、
手放しでは喜べません。
それでもホッとしました。本当に良かった…

まだ治安の悪いところが残るため、気は引き締めておかねばとのこと。
水・ガスは止まったままで、街灯や信号が眠っている地域も少なくありません。
一刻も早いライフラインの復旧、そして心安らかな毎日が戻ることを祈ります…

ボランティアには行けませんが、今できることをします。
ネガティブ・不安を煽る発言を控えること。
不確か・誇張された情報に惑わされないこと。
普段どおり。いや、いつもに増して一生懸命生きること。経済活動を滞らせないこと。
当たり前のことを幸せだと胸に刻むこと。

家や家族を失った方も決して少なくありません。
想像を超えた辛さだと思います。お察し申し上げます…。

私が少々の不便に不平を申しては現地の方々に失礼極りません
明るく元気に生活を送ります。

祈ることも大切。
しかしながら動かぬことには世の中は変わりません。


一人ひとりが「いつもより少し」相手を気遣えれば。
たとえ特別なことではなくとも-